欲深いのはよくないですね( 10歳未満 / 男性 )
昔、遠野(とうの)に万吉(まんきち)という人があった。 ある年、鉛(なまり)の温泉(おんせん)へ行ったときのこと。 浴場で見たこともない大男が声をかけてきた。
九州の南、奄美群島(あまみぐんとう)のひとつ、徳之島(とくのしま)の母間(ぼま)あたりの集落には、昔は夜になると、“イッシャ”という小(こ)んまい妖怪者(ようかいもん)が、犬田布岳(いぬたぶだけ)から下りて来たそうな。
昔、あるところに大泥棒(おおどろぼう)がいて、たくさんの手下をかかえて、西から東まで各地の大店(おおだな)を襲(おそ)っておった。
むかし、あるところに子供のおらん爺(じ)さまと婆(ば)さまがおった。 爺さまは、毎日山へ柴(しば)を刈(か)に出かけたと。 ある日のこと、いつものように山で柴を刈っていると、のどが乾(かわ)いた。
土佐の並松(なみまつ)、今の高知県加美郡土佐山田町八王子(こうちけんとさやまだちょうはちおうじ)から、すずれ場のあたりは、今でこそ広い舗装道路(ほそうどうろ)がついて、道の両側(りょうがわ)には新しい家が建っちょりますが、昔は家ものうて、道の両方にはこじゃんと大きい木があって、うんと寂(さび)しい所じゃった。
むかしむかし、日本の隣(となり)の國(くに)、中国の宋(そう)の国に、塞翁(さいおう)という人がいたそうな。 あるとき、塞翁は姿のいい女馬(おんなうま)を買ってきたそうな。
むかし、加藤清正(かとうきよまさ)が戦で朝鮮(ちょうせん)に行ったときのこと。 陸上では負けしらずの戦いぶりであったが、海上では日本の水軍が負けた。海上封鎖(かいじょうふうさ)されたので、日本からの補給(ほきゅう)がなくなったと。
むがし、あるところに諸国(しょこく)を巡り歩いている六部(ろくぶ)がおったと。 あるとき、山径(やまみち)を歩いていたら喉(のど)がかわいた。
ちょっと昔の話。高知県香南市夜須町(こうちけんこうなんしやすちょう)の弥作(やさく)さんというお人が高知へ行って、帰ってくるとき、むかしは歩きよりましたろう。ほんで、家に帰り着いたのが夜中時分じゃったそうな。
昔、ご飯をよそったときに、しゃくしでおひつのふちを絶対にたたくものではないと言われました。 それは行儀(ぎょうぎ)が悪いからというだけでなく、”くだしょう”がやってくるという大きな理由があったからです。
むかしとんとんあったんだけど。 左甚五郎(ひだりじんごろう)が旅していたら、日がとっぷり暮れたと。
むかし、美濃(みの)の国(くに)、今の岐阜県(ぎふけん)大野郡(おおのぐん)宮村(みやむら)の段(だん)というところに、猪野谷(いのや)という人がいたと。
むかし、堀内(ほりうち)の甚六(じんろく)という人がいてあったど。 貧乏(びんぼう)で、着る物てば、夫婦にひとつしか無かったすと。
むかし、平城のひらっ子という、人だましの上手な狐(きつね)がいたと。
むかし、土佐の吾川郡吾川村(あがわぐんあがわむら)北川※1に助八というマタギ稼業(かぎょう)の好きな爺(じい)さんがおった。
盆の十五日に送られたご先祖(せんぞ)さまは、道々自分の子孫(しそん)たちの接待降りやごちそうの話をしたり、また、土産物(みやげもの)など出して見せあったりするのだそうな。
昔コあったじょな。 むかし、南部、今の秋田県のあるところで、家普請(いえぶしん)をするとて、木挽(こびき)を頼(たの)むことになったど。
なんと昔があったげな。 因幡(いなば)の国のかわばら村というところから、鳥取の城下町にはいる小径(こみち)に、たじみ峠(とうげ)という坂があって、そこに、“おとんじょろ”という狐(きつね)がおった。とても性質(せいしつ)のいい狐で、ほかの狐はよう人をだますけれども、この狐は決して人をだまさないのだと。
昔、津軽(つがる)の泉山村(いずみやまむら)に喜十郎(きじゅうろう)ちゅう百姓(しょう)いであったど。 秋になって、とり入れが終わったはで、十三町の地主のどごさ、年貢米(ねんぐまい)ば納(おさ)めに行ったど。
むかし、青森県の八甲田山(はっこうださん)の麓(ふもと)にひとりの男が住んであった。 男が山裾(すそ)の道を歩いていたときのこと。
昔、あったずぉん。 あるどごに、弥八(やはち)て云(い)う狩人(またぎ)あったけずぉん。 あるどき…
むかし、あるところに爺(じ)さと婆(ば)さとが暮(く)らしておったと。あるとき、爺さが山へ行ったら、河童(かっぱ)が寝(ね)ていたと。
昔、あるところに木樵りの夫と女房とがあったと。夫は山に泊まって木樵りにせいを出し、った木が貯まると、それを担いで山を下りる暮らしだったと。
昔、昔。雨コ降ってら日、一人の婆、山菜のミズ背負って町さ売りに歩いてたど。「居だか。ミズえかったべしかあ。採りたてでンめぇどぉ」 って、家々まわったきゃ、「今日、まんず間に合ってらしじゃ」どて、断られたど。
むかし、あったと。あるところで、川の堤防工事(ていぼうこうじ)があったと。土盛りをするのだが、盛っても盛っても、そのたんびに川の流れで崩(くず)され、泥沼のようになってしまう。工事は一向にはかどらなかったそうな。
あんたさん、こういう唄、知っていなさるかい。「泣き味噌小味噌笑ったら五文泣き味噌三文笑ったら五文あっぷっぷ」泣く子へのあやし唄でね、今はあまり聞かなくなりましたが、私ら子供のころはあちこちでよく唄っていましたよ。
ここは岩手県※和賀郡(わがぐん)沢内村(さわうちむら)ですがの、沢内の新町(しんまち)に、明治維新(めいじいしん)まで年貢米(ねんぐまい)納めるお倉…
東北のふるい家には、座敷わらしという子供の神さまが棲(す)んでいるそうな。誰もいない奥座敷(おくざしき)で、トタトタと駆(か)けまわる音をさせたり、…
むかし、秋田県の下檜木内村(しもひのきないむら)の村はずれの塞(さい)の神さまは、山の神さまから借金があったと。ところが、返すと約束した正月の十五日…
昔、昔なァ。横手の辺りさ草コぼうぼうおがってえた頃、その中さ、ポツンと二軒の家(え)コ並んでたけど。一軒な、またぎで、もう一軒な百姓(ひゃくしょう)…
むがし、隣り合った二軒の家あったども。一軒の家は金持ちで、もう一軒の方はとっても貧乏だったなや。そえで、仲悪りぐて、いっつも喧嘩ばかりしてえだけど。
むかし、あるところに、次郎作(じろさく)、金太(きんた)、長吉(ちょうきち)という、たいそう仲の良い男たちがおった。正月二日の朝、次郎作は不思議な夢…
若い頃、おら毎日、鰻を釣りに行きよった。川の堤防の石垣に穴があったが、下から十三番目の穴だけは餌を近づけたら『がぼっ』と取られてしまう。おら、腹が立つやら気味が悪いやらで文次おじいに話したら、「やめちょけ、あれは極道鰻(ごくどううなぎ)じゃ」と言う。
これは本当にあった話らしい。あるところに爺(じい)さんと婆(ばあ)さんとが暮らしていたんだな。ある夜、この家へ泥棒(どろぼう)が入ろうとして中の様子…
むかし、ある旅の男が金を使い果(は)たして、峠(とうげ)のお地蔵(じぞう)さんの前で途方(とほう)に暮(く)れておったと。腹は空くし、こころ細いし、…
「誰も見ていないから大丈夫」…なーんて、そんな事は無く、悪い事をすればいつか必ず罰が当たるものです。ましてや私利私欲の為だけ…なんて輪をかけて悪い。どういう理由があろうとも、やっぱり悪事は悪事なんです!
でもこんなお地蔵様がいたら…それはそれでびっくりしちゃいますね…。
むかし、広島の江波(えば)におさん狐(ぎつね)いうて、どえらい狐がおったげな。 ある日のう、江波に住んどった人が町へ買物に行って帰りよったら、その人のうしろで、 「もし、もし、ちょっと待っつかあさいや」 と言うて、子供(こども)を抱(だ)いた女の人が呼(よ)びとめるんですげな。
とんとむかし、土佐(とさ)の窪(くぼ)川の藤(ふじ)の川に、久米七(くめしち)という男がおったそうな。土佐の人ではなく、肥後(ひご)の生まれとか、また、久米(くるめ)の仙(せん)人の生まれかわりとか言われたりして、その正体ははっきりせざったと。
むかし、あるところに爺(じい)さんと婆(ばあ)さんとが暮(く)らしてあった。 爺さんと婆さんには子供(ども)がなかった。 二人はことある毎(ごと)に「子供が欲(ほ)しい、子供が欲しい」と言うていた
むかし、ある村に藤六(とうろく)という百姓(ひゃくしょう)がおったと。 ある日のこと、藤六が旅から村に帰って来る途(と)中、村はずれの地蔵(じぞう)堂のかげで、一匹の狐(きつね)が昼寝(ね)しているのを見つけた。
むかしあったんですと。 火車猫(かしゃねこ)というのがあったんですと。 火車猫というのは猫が化けたものですが、なんでも、十三年以上生きた猫が火車猫になると、昔から言われています。
弘安(こうあん)四年、西暦(せいれき)では一二八一年、今からおよそ七〇〇年以上もの昔、九州の福岡県の博多(はかた)あたりの浜辺(はまべ)へ、海をへだてた隣(となり)の国、元(げん)の軍隊がたくさんの軍船に乗ってせめ寄ってきた。
とんと昔、あるところに何代も続いた大きな家があった。 土佐では、古い家ほど火を大切にして、囲炉裏(いろり)には太い薪(たきぎ)をいれて火種が残るようにしよったから、家によっては何十年も火が続いておる家もあったそうな。
むかし、信濃(しなの)のある村の坂の上にポツンと一軒家(いっけんや)があり、ひとりの婆(ばば)さが住んでおった。 婆さは男衆(おとこし)が呑(の)む酒を一口呑んでみたくてしようがなかったと。
むかし、むかし、あるところに歌の三郎と笛の三郎という若者が隣合って住んでいた。歌の三郎は歌が上手で、笛の三郎は横笛が上手だった。二人は、もっと広い世界で芸を試してみたくなった。歌試し、笛試しの旅へ連れだって出かけたと。
明治から大正の頃のようじゃが、池の集落に、宮地というお爺が居って、いってつ者であったと。 楽しみといえば、中央の池に出て、鯉や鮒、鰻などを釣ってきて、家の前の堀池で飼い、煮たり焼いたり酢にもして晩酌の肴にしていたそうな。
むかし、むかしの大昔。 山やまには鬼がたくさん鬼が棲んでいたそうな。 鬼どもは、里におりてきては子供をさらって行く。里の人たちは、ほとほと困っておったと。
むかし、あるところに長者があったと。 来客がひきもきらず家業は盛んであったが、働くばかりで、ひと息つく暇もない。 ある日のこと、長者は八卦易者を訪ねて、 「わたしの家には朝から晩まで来客が多くて困っております。お客の来なくなる方法はないものでしょうか」 ときいた。
むかし。武蔵国のある村に、いたずらなタヌキがこっそりすんでいたと。いたずらでな、嫁どりの土産をもって千鳥足で帰っていく三平どんを見つけると、ドロンと、きれいな娘さまに化けて
むかし、むかし。ある国にとても厳しいきまりがあったと。六十歳になった年寄りは、山へ捨てに行かなければならないのだと。その国のある村に、ひとりの親孝行な息子がおった。母親が六十歳になったと
むかし、ある所にうんと念仏が好きなお婆さんがおったそうな。この念仏婆さんも、寄る年波には勝てずに、とうとう死んでしもうたと。
むかし、あるところに和尚さんと小僧さんがおったと。ある秋の日、和尚さんと小僧さんが檀家の法事をすませてお寺へ帰る道を歩いていたと。空は晴れとるし、草花は咲いとるし、道端の石に腰かけて、和尚さん一服した。
むがし、むがし。秋田ど山形の間ば状箱担いで走る飛脚いだった。ほの飛脚だば、秋田の殿様の書状ば持って走って山形さ行き、山形の殿様の返事ばもらって、走って秋田さ戻る。朝が秋田で昼が山形、夕方にはまた秋田ていうよだな。一日で往復してしまうけど。
むかし、佐渡が島に艪かい舟が通っていたころの話。舟の乗客たちが、上方詣での出来事を楽しそうに話しておったと。そしたら、舟の間近に大っきなタコが潜んどって、「ああ、おらもたった一遍でいいから、人間のように上方詣でというものをしてみたい」とつぶやいたと。
むかし、新潟県の佐渡島では、ときどきとてもつもなく大っきな蛸が浜辺にあがってきては、馬にからみついたりして、悪さをしたそうな。あるとき、大佐渡の男が馬をひいて相川という賑やかな町まで買い物に出たと。
昔はね、どこもかしこも貧しかったでしょ。だから、女子は家のことは何でもやらなきゃならなかったの。縫い物は特にそうね。破れ物の繕いや、着物を縫い上げるなんてのは当たり前のことだった。
むかし、ある村にひとりの男があったと。山道を歩いていたら、日が照っているのに雨がパラパラ落ちてきた。天を仰いで、「ほ、こりゃ狐の嫁入り日じゃ」いうとったら、いつの間にやら、少し先を娘が歩いちょる。
むかし。相模湾の三ツ石の沖にサメの夫婦が住んでおったと。夫婦は、ここへ漁師の舟が来ると追い返しては、子ザメを守っておったと。「三ツ石へ行くでねぇ。主のサメにおそわれるぞ」と、漁師たちは、この沖を地獄のように恐れて近寄らなかったと。
むかし、越後の国、今の新潟県に源右ヱ門という侍がおったそうな。度胸はあるし、情けもあるしで、まことの豪傑といわれたお人であったと。あるときのこと、幽霊が墓場に出るという噂が源右ヱ門に聞こえた。
土佐では河童のことをエンコといいます。エンコは、川が大きな淵になっているところに棲んでいて、夜になると岸へ上がって歩き回ります。エンコの歩いたあとは、何ともいえない嫌な生臭い匂いが残っていますので、すぐ判ります。
あれは、昭和のはじめころじゃったと思います。ある晩(ばん)、ひょっと目が覚(さ)めてみると、急に体を押(お)さえつけられて動けんようになりました。
昔々なも。あるところにひとりの六部(ろくぶ)さんあって、方々(ほうぼう)旅をして回っていたそうだわな。あるとき、淋(さび)しい田舎(いなか)の道へきてなも・・・
むかし、農家の人は、一粒の米も無駄にせられんいうて、米俵の中の米が残り少のうなると、俵をさかさにして、俵のまわりや底のところを棒で叩いて、中の米を一粒残さず出したそうな。
昔あったけど。弘法(こうぼう)さまていう偉(えら)い坊さまが、あるとき旅してらして、河原で昼飯にするごとにしたど。
昔、駿河(するが)の国、今の静岡県の安倍というところに、亭主(ていしゅ)に死なれた母親と二才の赤ん坊がおったそうな。母親は、毎日赤ん坊をおぶってはよそのお茶摘みを手伝って、やっと暮らしておったと。
トント昔、あったけド。ある村さ、女子の六部(ろくぶ)ァ一人旅して来たけド。晩方なったどて、道端の家さ泊まったけド。
うぐいすが啼(な)く頃になりましたねえ。うぐいすはきれいな鳥で、ほんとに立派な巣うもこしらえるのよ。昔にね、うぐいすの巣うを鳩が見て、あんな立派な巣うをおれもこしらえられたらいいなあって。
とんとむかし、ある刀鍛冶のところへ、兼光(かねみつ)という若い男が弟子(でし)いりしたそうな。兼光はまじめに働(はたら)いて、師匠からも気にいられ、何年かすると師匠の向こう鎚(づち)を打つまでに上達したと。
むかし、ありましたそうや。今の和歌山県紀の川市に、昔は那賀郡田中村というた所がありましてのう、そこに、赤尾長者(あかおちょうじゃ)と呼ばれる長者がありましたそうや。子供がないのを悲しんでおったが、ようやく赤ちゃんが生まれた。
“手妻使い”という言葉、識っています?今ではめったに聞かれなくなりましたわね。相当のご年配の方くらいかしら、使うのは。手品師のことよ。近頃はマジシャンって言うみたいだけれど。
天草の話ばい。むかし、ある若者が富岡の殿さんが城を築くちゅうので、人夫に使ってもらいたいと出かけて行ったと。
昔は丹波(たんば)の一時餅(いっときもち)というのを食べると、すぐ馬になる、という諺(ことわざ)があった。それにはこんな由来があるのだそうな。昔、あ…
河童(かっぱ)。夏の間、水の中でいろいろ悪さをするアレですがの。熊本のここあたりではガワッパと言う。ガワッパは、夏が終って山に入ると呼び名が変わって…
この話は女子(おなご)と子供には聞かせたくないのじゃが、ことのなりゆきで・・・ま、たまにゃ、いいかの。昔、あるところに一人息子がおった。十八、九にな…
むかし、ある山里(やまざと)に娘とおっ母(か)さんとが暮らしておったと。山の畑には真ん中に大っきな石がデンと座っていて、じゃまになって困っていたと。
むかし、あるところにお寺があって、絵のとても上手な小僧さんがおったと。小僧さんはお経を少しも覚えようとはしないで、絵ばかり画いておるのだと。和尚さん…
むかしむかし、ある山里にひとりの猟師(りょうし)が住んでおったと。村一番の腕っききで、獲物をねらったが最後、熊であれ、猪(いのしし)であれ、たった一…
昔、あるところに乞食(ホイト)があったと。ホイトは京都の清水(きよみず)さんに鴻池(こうのいけ)の聟(むこ)にして下さいと願をかけた。縁の下に這入(…
昔、あるところに茅部野(かやべの)というところがあってな、そこは狐(きつね)がよう出るところで、度々人がだまされて、道を迷(まよ)うて難儀(なんぎ)…
むかし、あるところにひとりの商人(あきんど)がおった。あるとき商人は、兵庫(ひょうご)の淡路島(あわじしま)へ行ったと。一通り仕事も終え、船着場(ふ…
むかし、あるところにひとりの男がおった。男は、京、大阪を見物しようと旅に出たと。旅の途ちゅうである宿に泊(とま)ったら、宿の人たちが、「ようおこしに…
むかし、むかし、あるところに薪伐り(たきぎきり)をして暮らしている男がおったと。ある冬に、薪(たきぎ)を伐(き)りに山へ行ったら、急に吹雪(ふぶ)い…
むかし、あるところに山のネズミがあった。山のネズミの食べる物はどんぐり、栃(とち)の実、アワにヒエだったと。山に雪が降って、食べ物をさがすのが大変だ…
昔(むかし)、京の都(みやこ)で源氏(げんじ)と平家(へいけ)が戦(いくさ)をしていた頃(ころ)のこと、信濃(しなの)の山あいの小さな里に、傷(きず…
むかしがあったと。ある時、地獄(じごく)のえんま大王さまが、「近頃バカにひまでしかたねぇが、いってぇどうなってんだや」といって、家来(けらい)の鬼(…
むかし、ある村の八幡(はちまん)様のお宮(みや)に何百年も経った二本の松の木が並んで立っておったと。村の衆は、この松を夫婦松(みょうとまつ)と呼んで…
むかし、あるところに忍(しのぶ)と健(けん)の姉弟(きょうだい)がおった。姉の忍は八歳、弟の健は六歳であったと。二人の両親は、三年前の大水(おおみず…
むかし、あるところに貧乏な男がいてあったと。働き者で朝は朝星(あさぼし)のころから夜は夜星をながめるまで身を粉にして働いたと。畑や田圃(たんぼ)への…
昔昔、あるところに八百屋(やおや)があった。八百屋は魚屋の娘を嫁に貰(もろ)うたと。嫁はこまめに働くし、威勢はいいし、姑女さんも大層嬉(よろこ)んで…
むかし、あるところにお寺があったと。その寺に毎日欠かさずお参りに来る婆さんがおった。雨の日も晴れの日も熱心に拝んで行く。が、拝みおえると、必ずウ-ウ…
むかし、むかし。江戸表(えどおもて)で、蓮の葉往生(はすのはおうじょう)っていう場所が出来たことがあったのヨ。そこへ行けば蓮の花の中に入って、眠るよ…
※音声をお聞きになる際、始まるまでしばらくお時間が掛かる場合がございます。
※音声と文字は一部表記の異なる部分がありますが、ご容赦ください。
語り:井上 瑤/平辻 朝子
みんなの声
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