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頓知のきく人にまつわる昔話(全82話)

吉四六さんの意地くらべ(きっちょむさんのいじくらべ)
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吉四六さんの意地くらべ(きっちょむさんのいじくらべ) 【大分県

昔、豊後(ぶんご)の国、今の大分県臼杵市(おおいたけんうすきし)野津町(のつまち)大字野津市(おおあざのついち)というところに、吉四六(きっちょむ)さんという頓智(とんち)にたけた面白い男がおった。

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医者どんと和尚さま(いしゃどんとおしょうさま)

医者どんと和尚さま(いしゃどんとおしょうさま) 【新潟県

むかし、あるところに医者どんと和尚さまがいてあったと。 ある日、医者どんのところへ和尚さまから手紙が届いた。

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和尚と博打こぎ(おしょうとばくちこぎ)

和尚と博打こぎ(おしょうとばくちこぎ) 【秋田県

むかし、ある所に和尚(おしょう)さんと小坊(こぼう)っこと二人暮らしてあったと。 その村に、三助ていう博打(ばくち)こぎいたと。

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ひとスリ違い(ひとすりちがい)

ひとスリ違い(ひとすりちがい) 【大分県

むかし、むかし。 豊後の国、今の大分県大野郡野津町(おおたいけんおおのぐんのづまち)大字野津市(おおあざのづいち)というところに、吉四六(きっちょむ)さんという、頓知(とんち)の効いた面白(おもしろ)い男がおった。

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約束ごと(やくそくごと)

約束ごと(やくそくごと) 【長崎県

むかし、ある村で一日に十人の男の子が産まれたそうな。 どの親も皆々(みなみな)お寺の和尚(おしょう)さんのところへ行って、名前をつけて下さいって、頼(たの)んだと。

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吉四六と牛の毛三本(きっちょむとうしのけさんぼん)

吉四六と牛の毛三本(きっちょむとうしのけさんぼん) 【大分県

むかし、豊後の国、今の大分県臼杵市野津町(おおたいけんうすきしのつまち)大字野津市(おおあざのついち)というところに、吉四六(きっちょむ)さんという、とても面白(おもしろ)い男がおった。

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鳥の巣裁き(とりのすさばき)

鳥の巣裁き(とりのすさばき) 【山口県

むかし、むかし、 長州と土佐と薩摩(さつま)の侍(さむらい)が一緒に道中(どうちゅう)していて、ひとつ宿(やど)に泊まったと。

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果てなし話(はてなしばなし)

果てなし話(はてなしばなし) 【高知県

とんと昔あったげな。 あるところにとても話し好きの爺さんがあったと。 毎晩(まいばん)毎晩若い衆(し)が幾人(いくにん)も来て、とてつもない話をしては、爺さんを喜ばしていたと。

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かえんどん

かえんどん 【新潟県

昔、あったてんがのう。 あるところに身上(しんしょ)のよい家があって、嫁をさがしていたと。

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縁切状(えんきりじょう)

縁切状(えんきりじょう) 【新潟県

昔、あったてんがな。 あるところに、父(とと)と嬶(かか)が暮らしてあった。 あるとき、父と嬶が諍(いさか)いして、父が嬶に、 「うるさい。お前のようなもん、出て行け」 と言うた。

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彦一と狸(ひこいちとたぬき)

彦一と狸(ひこいちとたぬき) 【新潟県

あったてんがの。 昔あるところに、彦一という男があったと。頓知(とんち)のきいた面白い男だったと。 彦一の裏山(うらやま)に狸(たぬき)が一匹住んでいて、それがまた、人をたぶらかしたりするのが大好きなやつだったと。

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茂二郎とんち話(しげじろうとんちばなし)

茂二郎とんち話(しげじろうとんちばなし) 【秋田県

江差(えさし)の茂二郎(しげじろう)て人、あるとき、山さ行(え)たわけだ。 官林(かんりん)の山の木を盗伐(とうばつ)すると山役人にとがめられるども、わいろをつかまえさせると御免(ごめん)してもらうによいという評判(ひょうばん)であった。

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貧乏の神(びんぼうのかみ)

貧乏の神(びんぼうのかみ) 【秋田県

むかしあったと。 ある家の父、毎日働かなねであったと。 毎日毎日、火ノンノンとたいて、こっちの肋あぶれば、また、こっちの肋あぶる。今度ァ背中あぶるって、そやってばしいであったと。 ある時、 「貧乏の神、貧乏の神、火ィあたりに来いでぁ」 と言ったと。

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鬼を笑わせた爺さま(おにをわらわせたじさま)

鬼を笑わせた爺さま(おにをわらわせたじさま) 【青森県

むかし、あるところにひとりの爺さまが住んでおったと。爺さまは、面白い昔コ語っては、人を笑わせていたと。ところが爺さまも年も年とて、ある日、ころっと死んでしもうた。

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分別八十八(ふんべつやそはち)

分別八十八(ふんべつやそはち) 【岩手県

むかし、むかし、奥州のある村に、八十八という名前の男が六人も住んでおったそうな。あだながなくては誰が誰だかよくわからない。そこで、一人は気が荒いから外道八十八、ひとりは博変がすきで博奕八十八・・・

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傘の絵(かさのえ)

傘の絵(かさのえ) 【岩手県

むかし、あるところに長者どんがあったと。長者どんは大変物好(ものず)きな人であったと。それを聞きこんで旅の商人(あきんど)が一本の掛(か)け軸(じく…

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もとの平六(もとのへいろく)

もとの平六(もとのへいろく) 【岩手県

昔。ある町に、平六という貧しい男がすんでおった。この平六、たいへんな無精もので、ふんどしなどめったに洗わん。同じふんどしを二年もしめていた。だから、…

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節分の鬼(せつぶんのおに)

節分の鬼(せつぶんのおに) 【秋田県

むがし、あったけど。あるお爺(じい)さん、寒の明げる晩に、「豆も無(ね)えす、嬶(かか)もいねぇのだす、一人だも、どうもなんねえ、豆なの蒔がねぇ。火…

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鬼を笑わせた爺さま(おにをわらわせたじいさま)

鬼を笑わせた爺さま(おにをわらわせたじいさま) 【青森県

むかし、あるところにひとりの爺(じ)さまが住んでおったと。爺さまは面白い昔(むかし)こ語(かた)っては、ひとを笑わせていたと。ところが爺さまも年齢(…

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江差の繁次郎「みがき鰊、たでで一本」(えさしのしげじろう みがきにしん、たででいっぽん)

江差の繁次郎「みがき鰊、たでで一本」(えさしのしげじろう みがきにしん、たででいっぽん) 【北海道

江差(えさし)の繁次郎(しげじろう)は、はたして利巧(りこう)なのか阿呆(あほう)なのか、よく判(わ)からんところがあったと。忙(いそ)がしかったニ…

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江差の繁次郎「観音と休み」(えさしのしげじろう かんのんとやすみ)

江差の繁次郎「観音と休み」(えさしのしげじろう かんのんとやすみ) 【北海道

江差(えさし)の繁次郎(しげじろう)は怠け者であったと。ニシン場(ば)では、次から次へと水揚(みずあげ)されるニシンを、モッコに入れて運ぶ者、仕分(…

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峠の山犬(とうげのやまいぬ) 【高知県

これは私のおばあちゃんが、おばあちゃんのおじいさんより聞いた話ながやと。そのおじいさんは、大工の仕事をしていたということやけんど、ある日の朝、家を出るとき、「今日は仕事を早じまいして去ぬるき、灯はいらん」いうて、

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吉四六さんと銭糞馬(きっちょむさんとぜにぐそうま) 【大分県

昔、豊後(ぶんご)の国、今の大分県臼杵市(うすきし)野津町(のつまち)大字(おおあざ)野津市(のついち)というところに、吉四六(きっちょむ)さんとい…

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一休さんと殿さま(いっきゅうさんととのさま) 【山形県

一休和尚さんは、小僧さんのころからとても頓智(とんち)にたけたおひとだった。まだほんの小僧さんなのに、大人(おとな)のけんかを頓智でまるくおさめたり…

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どくれの万六(どくれのまんろく) 【高知県

むかし、土佐(とさ)の窪川(くぼかわ)に万六という男がおった。地主の旦那(だんな)の家で働く作男(さくおとこ)だったが、お城(じょう)下から西では誰(だれ)ひとり知らぬ者がないほどのどくれであったと。

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家ぐるみで二十銭(いえぐるみでにじゅっせん) 【大分県

昔、豊後(ぶんご)の国、今の大分県臼杵市野津町(うすきしのつまち)の大字野津市(おおあざのついち)というところに、吉四六(きっちょむ)さんという、頓知(とんち)の優(すぐ)れたとても面白い男がおったと。 その吉四六さんが、ある日、馬に荷を積んで売って歩いていたのだと。

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貧乏神(びんぼうがみ) 【新潟県

むかしがひとつあったとさ。 あるところに、貧乏(びんぼう)じゃったが、それは仲のよい爺(じ)さまと婆(ば)さまが暮(く)らしておった。 年越(としこし)の日がきても何一つ食べるものがない。

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化かされ狸(ばかされだぬき) 【徳島県

むかし、ひとりの馬方(うまかた)が荷馬車をひいて、夕暮(ぐ)れ時の山道を村の方へ帰っていたと。 「いま時分は、ここいらへんは狸(たぬき)が化けて出るって聴(き)いとったんじゃが……」 と、用心しながら歩いていたら、案(あん)の定(じょう)、「もし、もし」と、優(やさ)しい声がかかった。

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屋根ふき作戦(やねふきさくせん) 【高知県

とんとむかし。高知県土佐の幡多の中村に泰作さんというて、そりゃひょうきんな男がおったそうな。 人をだますのが好きで、人をかついじゃ面白がりよったと。 ある日のことじゃった。 泰作さんは屋根にあがって、ひとりで屋根ふきをしょった。 ほいたらそこへ、近所の若いしらが二、三人で通りかかったちゅうが。

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吉四六さんさざえを買う(きっちょむさんさざえをかう) 【大分県

むかし、大分県の野津市というところに、吉四六という知恵者の男がおった。あるとき、吉四六さんが臼杵の街を通りかかると、魚屋の店先に、十個ばかりのさざえがあるのが目にとまった。

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銀杏狸(いちょうだぬき) 【愛媛県

四国の伊予市から宇和島へぬける郡中街道に、昔から目印になっている銀杏の木がある。その木には、銀杏狸ちゅう一族が住んでいて、枝に化けるのを専門にしておった。

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ただ飯ぐい(ただめしぐい) 【高知県

むかし、高知県土佐の幡多の中村に、泰作さんというて、そりゃひょうきんな男がおったそうな。ある日ある時のことよ。泰作さんは山へ行ったそうな。ところが家を出るときに、だいぶあわてちょったけん弁当を忘れてきたと。

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吉四六さん山を移す(きっちょむさんやまをうつす) 【大分県

昔、豊後の国、今の大分県臼杵市野津町大字野津市というところに、吉四六さんという面白い男がおった。頓智働きでは誰ひとりかなう者が無いほどだったと。

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法印様と女房(ほういんさまとにょうぼう) 【新潟県

とんと昔があったと。昔、丸坊主頭(まるぼうずあたま)の法印様(ほういんさま)と女房(にょうぼう)が連れだって旅をしたと。長い道中で、女房が小便が出たくてたまらなくなった。

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首の取り替え(くびのとりかえ) 【大分県

むかし、豊後(ぶんご)の国、今の大分県臼杵市野津町大字野津市というところに、吉四六(きっちょむ)さんという、とても面白い男がおった。

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惣領息子(そうりょうむすこ) 【新潟県

むかし、あるところに爺(じ)さと三人の兄弟が暮(く)らしておったと。ある日、爺さが兄弟を集めて、「お前だち、どうやらわしも年をとった。今日はひとつ、いちばん大きな事を言う者にかまどをゆずりたいが、どうだ」と、言いた。

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泰作さんとお奉行さま(たいさくさんとおぶぎょうさま) 【高知県

とんとむかし。四国(しこく)の土佐(とさ)、今の高知県(こうちけん)の中村(なかむら)に、泰作(たいさく)さんというとんちもんが住んでおった。

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嘘こきさざなみ(うそこきさざなみ) 【新潟県

とんと昔があったげど。嘘こきさざなみは、いつも嘘ばっかり言うているので、地獄(じごく)のえんま様が、「嘘こきさざなみは娑婆(しゃば)におくと、為(ため)にならんすけ、地獄へつれてこい」と鬼どもに言いつけたと。

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屁ひり婆の話(へひりばあのはなし) 【山口県

昔、あるところにひとりの婆(ばあ)さんがあった。婆さんは、お年貢(ねんぐ)の頃に上納(じょうのう)する米の計量(はかり)をちょろまかすのがうまくて、役人は困りはてていたと。

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福間の又兵衛さん(ふくまのまたぜえさん) 【福岡県

とんと昔のことたい。筑前(ちくぜん)の国、今の福岡県の福間の里(ふくまのさと)に花見(はなみ)という街道(かいどう)が一本通っておって、その道は、いつでもおさん狐が化(ば)けて出るところじゃったげな。

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鮎はカミソリ(あゆはかみそり) 【石川県

とんとむかし。あるお寺に、たいそう鮎(あゆ)の好きな和尚(おしょう)さんがあったと。ところが、お坊(ぼう)さんは魚や肉を食べてはいけないことになっていたから、和尚さんはいつも、小僧(こぞう)さんに隠(かく)れてアユを食べていた。

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枇杷の種糞(びわのたねぐそ) 【福岡県

むかし、あるとろに和尚(おしょう)さんと小僧(こぞう)さんとが居ったと。そのお寺に大きい枇杷(びわ)の木があって、毎年うんとこ実がなるのだと。ところが和尚さんは欲んぼうで、自分ばっかり食うて、小僧さんにはちいっとも食わせないのだと。

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窪川の万六(くぼかわのまんろく) 【高知県

むかし、窪川(くぼかわ)の万六(まんろく)といえば、土佐のお城下から西では誰一人として知らぬ者はない程のどくれであったと。ある日、あるとき。旦那(だんな)が所用(しょよう)があって、高知(こうち)のお城下まで行くことになったそうな。

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ババラブーとオッキャラキャー(ばばらぶーとおっきゃらきゃー) 【大分県

昔、豊後(ぶんご)の国、今の大分県大野郡野津市に、吉四六(きっちょむ)さんという面白い男がおった。頓智働(とんちばたら)きでは、誰一人かなう者がないほどだったと。

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雀経文(すずめきょうもん) 【京都府

昔あるお寺に、おおまかな和尚さんと小坊主が住んでおったと。あるとき、檀家(だんか)から、「和尚さん、法事をしたいので、お経をあげに来ておくれ」言うて、頼みに来たと。

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においの代金(においのだいきん) 【東京都

むかし、ある町にえらくケチな男が住んでおったと。飯を食うにも梅干をじいっと見て、酸っぱいつばがわいてきたら、いそいでご飯をかきこむ、というぐあいだったと。

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籾とおしと天狗さま(もみとおしとてんぐさま) 【鹿児島県

網(あみ)の目や篩(ふるい)や笊(ざる)や籾(もみ)とおしのように、目のたくさんあるものをとおしては、ものを見てはいけないといわれています。幸(さち…

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天狗さまの鼻はなぜ赤い(てんぐさまのはなはなぜあかい) 【宮崎県

むかし、むかし。あるところに大きな松の木があって、その木に天狗(てんぐ)さまがいたと。ある日のこと、村のひとりの子供が松の木の下で、「天狗さまござる…

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彦市どんとタヌキ(ひこいちどんとたぬき) 【熊本県

むかし、肥後(ひご)の国(くに)、今の熊本の八代(やつしろ)というところに、彦市どんという、おもしろい人がおって、いつも、人をだましたり、からかった…

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オチンチン一升(おちんちんいっしょう) 【長崎県

むかし、あるところに和尚さんがおったと。たいそうなけちん坊で、毎朝炊(た)く米も小僧さんにまかせないで、いちいち指図(さしず)していたと。お客さんが…

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勘作さんの紺足袋(かんさくさんのこんたび) 【長崎県

むかし、肥前(ひぜん)の国(くに)大村(おおむら)、今の長崎県(ながさきけん)大村市(おおむらし)日泊(ひどまり)というところに、勘作(かんさく)さ…

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十伝どんと日見の狐(じゅうでんどんとひみのきつね) 【長崎県

むかし、長崎県の山田というところに、十伝どんという男がおったと。その頃、やっぱり長崎の日見の峠に、いたずらな狐が棲んでいて、ときどき人をだましていた…

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ワラの贈り物(わらのおくりもの) 【大分県

むかし、吉四六(きっちょむ)さんの村にたいそうしまりやの久助(きゅうすけ)さんという男がおったと。屁(へ)ひとつひるにも、家にいるときは急いで畑へ行…

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かつお節の虫干し(かつおぶしのむしぼし) 【大分県

むかし、豊後の国(ぶんごのくに)、大野郡(おおのぐん)野津町(のつまち)の野津市(のついち)というところに吉四六(きっちょむ)さんという面白い男がお…

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吉四六さんの鴨捕り(きっちょむさんのかもとり) 【大分県

吉四六(きっちょむ)さんが、あるとき、大きな瓢箪(ひょうたん)のくびれたところに長い縄(なわ)をくくりつけ、鴨(かも)のおりる池にやって来た。縄の端…

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吉四六の火事騒動(きっちょむのかじそうどう) 【大分県

昔、豊後の国、今の大分県大野郡野津町(おおいたけんおおのぐんのづまち)大字野津市(のづいち)に吉四六さんという、とても面白い男がおったと。あるとき、…

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吉四六さんの物売り(きっちょむさんのものうり) 【大分県

昔、大分県野津市(のづいち)というところに、吉四六(きっちょむ)さんという、面白(おもしろ)い男がおったそうな。とっさの時、心のはたらき方が面白いの…

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ネズミの彫りもの(ねずみのほりもの) 【大分県

どんな時代、どこの町にも、一人や二人、必ず楽しい人物がいるものです。なまけ者であったり、おどけ者であったり。そのくせ、とっぴょうしもない智恵(ちえ)…

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鯨の黒皮(くじらのくろかわ) 【高知県

昔、土佐(とさ)の中村(なかむら)に泰作(たいさく)さんという剽(ひょう)げた男がおって、とぼけた話しをたくさん今に語り残している。あるとき、旅で相…

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飴は毒(あめはどく) 【高知県

むかし、あるところに、とってもケチな和尚(おしょう)さんがおったげな。カメに水飴(みずあめ)を入れて、ひとりでなめているんだと。小坊主(こぼうず)が…

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八日山(ようかやま) 【徳島県

むかし、むかし、今の徳島県(とくしまけん)な、昔は阿波(あわ)の国(くに)というた。蜂須賀(はちすか)の殿(との)さんが治(おさ)めておったが、その…

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節分と貧乏神(せつぶんとびんぼうがみ) 【香川県

昔になぁ、家内がしょうたれで、所帯場(しょたいば)のまわりにつばを吐(は)いたり、汚(きたな)くしとる家があったそうな。男はなんぼ働いても働いても貧…

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往生の薬(おうじょうのくすり) 【山口県

むかし、むかし、あるところに姑(しゅうとめ)と嫁(よめ)とが一緒に暮らしていたそうな。姑と嫁はたいそう仲が悪かったと。姑は嫁のやることなすことすべて…

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目上の意見と茄子の花(めうえのいけんとなすのはな) 【山口県

むかし、あるところにお寺があって、和尚(おしょう)さんと小僧さんが住んでおったと。あるとき、小僧さんが修行(しゅぎょう)に出ることになったと。小僧さ…

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住持の夜遊び(じゅうじのよあそび) 【島根県

昔、ある山寺に住持と小僧さんとが住んであったと。お坊さんは、昔は女房を持つことが出来んかったので、里(さと)に、こっそりと女房をこしらえる人が多かっ…

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これ彦八、早よ話せ(これひこはち はよはなせ) 【島根県

昔あるところに彦八がおった。彦八の近所に禅寺(でら)があった。茶菓子をめあてに、彦八はいつも遊びにいっていた。行くたびに和尚さんは、「彦八、珍しい話…

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彦左と河童(ひこざとかっぱ) 【和歌山県

むかし、瀬戸(せと)に彦左という力のめっぽう強い男がおった。ある夏の日、古池(ふるいけ)という大きな溜池の下手(しもて)にあるたんぼで一日じゅう草取…

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天狗の隠れみの(てんぐのかくれみの) 【福井県

むかし、あるところにばくち打ちがおったそうな。あるときばくちに負けてフンドシひとつになってしまったと。「カカァの着物を質に入れて金を作ったのに、俺ら…

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狐の玉(きつねのたま) 【福井県

むかし、ある寺に、かしこい小僧がおってな、山の狐穴(きつねあな)から、狐の玉を拾(ひろ)ってきたそうな。その玉が無いと、狐は人をだませんのだと。小僧…

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鬼と刀鍛冶(おにとかたなかじ) 【石川県

むかし、能登(のと)の国(くに)の海辺(うみべ)の村に、刀鍛冶(かたなかじ)が暮らしておったと。働(はたら)き者で、トテカ-ン、トテカ-ンという刀を…

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売桝、買桝(うります、かいます) 【山梨県

むかし、あるところに、米、味噌、醤油を売る店があったと。いく代(だい)も続いて信用もあったのだが、どうしたわけか、だんだん身上(しんしょう)が傾(か…

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藁の贈り物(目から火)(わらのおくりもの) 【山梨県

むかし、あるところに大層けちな男がおったと。あるとき、村の外へ出掛けていて屁をこきたくなった。男は、「肥(こやし)の息だ、もったいねぇ」といって、紙…

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山の者と町の商人(やまのもんとまちのあきんど) 【富山県

むかし、ある山奥(やまおく)に村があったと。その村から、険(けわ)しい山坂をいくつも登ったり下ったりしたふもとに、お城下町(じょうかまち)があったと…

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仁王様の稲一荷(におうさまのいねいっか) 【新潟県

昔、あったてんがの、あるところに大層強欲(たいそうごうよく)な庄屋(しょうや)があったと。若い衆(しゅう)をさんざんにこき使って、年取(としと)り前…

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盗人をなおす医者(ぬすっとをなおすいしゃ) 【東京都

むかし、江戸の小石川(こいしかわ)、今の東京都文京区に小石川診療所(しんりょうじょ)というのがあって、赤ひげ先生という、診(み)たても、治療(ちりょ…

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しばられ地蔵(しばられじぞう) 【東京都

享保(きょうほ)三年というから、一七一七年、今から二六六年も前のこと、江戸、つまり、東京でおこったことだ。本所の南蔵院(なんぞういん)という寺の境内(けいだい)に、石の地蔵様があった。

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尼裁判(あまさいばん) 【宮城県

むかし、あるところに親孝行の息子が年老いた父親と暮らしておったそうな。働き者の息子だったから、村の人がいい嫁を世話してくれたと。息子と嫁は、「お父っ…

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座頭さまとボタ餅(ざとうさまとぼたもち) 【山形県

昔、あるどこさ、爺(じじ)と婆(ばば)、あったけド。あるどぎ、旅道中(たびどうちゅう)の座頭(ざとう)さま、「どうぞ、一晩泊めて呉(け)らっしぇ」っ…

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金看板と頓智(きんかんばんととんち) 【山形県

むかし、むかし、あるところに韋駄天(いだてん)走(ばし)りの男があった。平地はもとより、山に入ってもキジを獲ったり、兎を獲ったり、ものすごく足が速い…

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塩っぱい爺さま(しょっぱいじいさま) 【山形県

昔、あるところに爺(じ)さまがあったと。秋祭りがきて、町(まち)に市(いち)が立った。爺さま買い物に出かけたと。町ではピーヒャラ、ドンドンと笛太鼓が鳴り響…

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曽呂利新左衛門(そろりしんざえもん) 【山形県

むかし、むかし、秀吉(ひでよし)の時代に新左衛門(しんざえもん)ていう刀の鞘師(さやし)いだったど。新左衛門がこしらえる鞘は、刀がソロリ、ソロリと抜…

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九曜の星(くようのほし) 【山形県

むがし、むがし、いつの頃だが知らねけどあったけど。殿様が、世間の人々を悩ませで面白がっていたど。あるどき、染物たのみだ、といって、一番上手な染物屋に…

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※音声をお聞きになる際、始まるまでしばらくお時間が掛かる場合がございます。
※音声と文字は一部表記の異なる部分がありますが、ご容赦ください。

語り:井上 瑤/平辻 朝子

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