欲深いのはよくないですね( 10歳未満 / 男性 )
むがす、卓兵衛(たくべえ)さんという頓智(とんち)のある人がいたど。 お伊勢参(いせまい)りから無事(ぶじ)に帰って来たんで、日頃ねんごろにしている和尚(おしょう)さんのどこさ、お土産(みやげ)を持ってったど。
南国土佐では「ほらふき話」を「とっぽう話」という。土佐の「とっぽう話」は、とにかく陽気(ようき)で底ぬけに明るい。じめじめした暗さや、意地悪いたくらみといったものがない。
昔話の中には、後世(こうせい)に語り継がれるかどうか、よくわからない話が沢山(たくさん)あります。 はたして生き残るのか、はたまた消えてしまうのかは、そのお話の生命力次第ですから、無用の心配はしないで、今ある話をただ単純に、あははと笑っていればいいのかもしれません。
むかし、ある村に爺(じ)さまと婆(ば)さまがおったと。 あるとき二人で大根の種を蒔(ま)いたら、秋になってどこのものより育(おが)ったと。 爺さまと婆さまが大根を掘(ほ)りに畑へ行ったら、とりわけ一本、今まで見たこともない大きな大根があった。
むかしむかし、日本に仁王という男がおって、力持ちでは日本一だったと。あるとき、仁王は八幡さまへ行って、「唐の国には、“どっこい”という名の力持ちがいるということだから、わしはそれと力競べしてくるべと思うとるが」と、お伺(うかが)いをたてたと。
昔、ある渡場(わたしば)に乗り合いの船(ふね)があったと。お客を乗せて海を渡っていたら、急に船が動かなくなったと。いっくらこいでも、船は前にも進まない、後にも戻(もど)らない
昔、あるところに貧乏な爺さがおったと。ある時、爺さが山へ木の実をさがしにいったと。そしたら、熟(う)れた柿の実ひとつ、ボタリと爺さの頭に落っこちたと…
むかし、あるところに、とほうもない嘘つき爺がおったと。爺の若い頃、近所の人が嫁さんを世話しようとしたら、相手の娘っこに、「エ―あの人ぁ、そんなあ、う…
むかし、あるところに蛙(かえる)の親子が暮(く)らしておった。 ある日、子蛙が川っ端(ぱた)へ遊びに行ったら、一匹(いっぴき)の牛が草を食(は)んでいるのに行き逢(あ)った。
むかし、あるところに伝兵衛(でんべえ)という爺(じい)がおった。酒とバクチとケンカが何より好きで、おまけに偏屈者(へんくつもん)であったと。 ある年の節分の晩(ばん)、 「よそと同じように豆まきしてもつまらん。おらとこはあべこべにやる」 「そうれ、福は外、鬼(おに)は内」 というて、豆まきしたと。
むかし、あるところに商人の番頭さんがおったと。「俺もそろそろ嫁ごを貰わんとならんが、どうせ貰うんなら美しい嫁ごが欲しいものだ」そう考えて、毎日毎日、あちらこちらと商売に行っていたら、あるところで、「惚れ薬」があるという耳よりの話を聞いたと。
むかし、あるところになまけものの男がおったと。毎日遊(あそ)びほうけて、ちいっとも畑仕事を手伝わん。とうとう親に勘当(かんどう)されてしまったと。
むかし、むかしあったんだって。ある山の中に一匹の狼(おおかみ)がいたんだって。ちょうど今日みたいな寒い夜にね、狼は腹を空(す)かして、
高知県安芸郡北川村(こうちけんあきぐんきたがわむら)の野川に、要三(ようぞう)といって、とっぽこきの面白い男がいた。明治の頃に生きて、かずかずのとっぽ話をふりまいて今に語り継がれている。とっぽ話というのは、ほら吹き話のことでこれもそのひとつ。
昔、日向(ひゅうが)の国、今の宮崎県(みやざきけん)の跡江(あとえ)に半ぴどんというとんちものが居(お)ったと。ある日のこと、跡江の半ぴどんが「高岡…
むかし、あるところに蕎麦(そば)好きの男があった。丼(どんぶり)で十五杯も食うのだと。ある日、男が蕎麦を食うているところへ博労(ばくろう)がきて、「…
むかし、むかし、あるところに三匹の猿がおったと。三匹の猿は栗山へ栗拾いに出かけた。ところが、いくら探しても栗が見つからない。あっちこっち探して、よう…
むかし、あるところに、権兵衛(ごんべえ)さんという鉄砲撃ち(てっぽううち)の名人がおったそうな。この権兵衛さんが、鉄砲をかついで奥の沼に行った時のこ…
むかしあったと。ある日の暮れ方、雀(すずめ)と烏(からす)が林に行って、楢(なら)の木に一夜のお宿を頼んだと。そしたら楢の木は、「お前達みたいな者に…
むかし、むかし。あるところに大きな鳥があって、「我(われ)こそが世界で一番大きい」と、自慢(じまん)しておった。ある日、この大鳥は、「おれさまほどの…
むかし、あるところに、一日に千里(せんり)遠くへ飛べる鳥があったと。あるとき、この鳥が海辺の木に止まって、「海の岸づたいなら遠くへ飛んだことはあるけ…
昔、ある村に屁っぴりの娘がおったそうな。あんまりひっきりなしに屁をこくので、めったに外へ出ることはなかったと。「この娘(こ)は、一生嫁に行けないので…
むかし、ある山の中に、二つの泥棒村があったと。上(かみ)の村には泥棒が百人、下(しも)の村にも泥棒が百人住んでおったと。あるとき、上の村の泥棒たちが…
むかしとんとんあったんだけど。ある村で、くる日もくる日も雨降らねで、どこの家でも大根、白菜(しろな)、なんだて野菜もの蒔(ま)いたげんど、ほとんど出…
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語り:井上 瑤/平辻 朝子
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