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(全886話)

キツネの恩返し(きつねのおんがえし) 【新潟県

むかし、あるところに、ひとりの爺(じ)さが居てあったと。爺さは、毎日山へ木をきりに行っていたと。ある日、爺さが山へ行ったら、ケン、ケーン、クーン、と苦しそうなキツネの鳴(な)き声が聴(き)こえてきた。

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ハチとサルとカメ(はちとさるとかめ) 【大分県

むかし。ある若者が旅に出た。そして道を歩いていたら、子供がハチに紐(ひも)をつけて遊んでいる。若者はかわいそうに思うて、「銭(ぜに)をやるから、そのハチをわしにくれんか」と言うて、ハチを助けてやった。

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虱と蚤の由来(しらみとのみのゆらい)

虱と蚤の由来(しらみとのみのゆらい) 【青森県

昔、昔、ある山の中に一軒(いっけん)の家があったと。おっ母と童(わらし)と二人、いてあったと。畑をちょっとと、お蚕(かいこ)さんをちょっと持っていたと。

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節分の鬼(せつぶんのおに) 【新潟県

むかし、むかし、あるところに貧乏(びんぼう)なトトとカカがおったと。ある節分(せつぶん)の夜のこと、あちこちの家では、「鬼(おに)は外、福は内」って豆まきが始まったと。

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出世息子(しゅっせむすこ) 【鹿児島県

昔、あるところに夫婦者がおいやって、二人の間に男の子が出きんしゃった。その子は七ツ八ツになって使い事をよくするようになったが、親の言うことにそむいたことの無い子で、それが世間にも評判になった。

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嘘こきさざなみ(うそこきさざなみ) 【新潟県

とんと昔があったげど。嘘こきさざなみは、いつも嘘ばっかり言うているので、地獄(じごく)のえんま様が、「嘘こきさざなみは娑婆(しゃば)におくと、為(ため)にならんすけ、地獄へつれてこい」と鬼どもに言いつけたと。

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天狗とお獅子(てんぐとおしし)

天狗とお獅子(てんぐとおしし) 【岩手県

むかし、むかし、あるところにお爺(じい)さんとお婆(ばあ)さんと、息子夫婦(むすこふうふ)と孫(まご)達がいだど。今日は、お爺さんが孫達と留守番(るすばん)をしていだど。

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若水くみ(わかみずくみ)

若水くみ(わかみずくみ) 【青森県

むかし、牛方(うしかた)の村に富(とみ)という、いたって心のやさしい若者が住んであったと。富は、九つのとき両親に先立たれて、それからずっと、村の人達にかわいがられて暮らしていたと。

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天福地福(てんぷくちふく) 【新潟県

むかし、あるところに貧乏(びんぼう)なお爺(じい)さんがおったと。「正月二日の晩に、宝船(たからぶね)の絵を枕(まくら)の下にして寝れば良い夢を見る」と聞いたので、爺さんはその通りにして寝た。

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大歳の亀(おおどしのかめ) 【熊本県

昔昔、あるところに貧乏な爺(じい)さんと婆(ばあ)さんがあった。ある年の暮に、正月用意もできないので、遠くの親類を頼(たよ)ることにしたと。

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地蔵むがし(じぞうむがし) 【山形県

むがし、むがし。爺(じい)と婆(ばあ)どいであったど。貧乏(びんぼう)でな、正月来たども餅(もぢ)ひとづ喰(くわ)ねほどだけど。

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銭コがモッケになった話(じぇんこがもっけになったはなし)

銭コがモッケになった話(じぇんこがもっけになったはなし) 【青森県

むかし、津軽(つがる)のある村さ、そりゃあ、そりゃあ、ケチで欲(よく)たかりの金貸しがいたど。ケチもケチも、この金貸しゃあ情(なさ)け容赦(ようしゃ)なく銭(じぇん)コば取りたてるもんで・・・

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親棄と打出の小槌(おやすてとうちでのこづち)

親棄と打出の小槌(おやすてとうちでのこづち) 【岩手県

昔、あるところに婆様と伜(せがれ)とがあったと。その伜が年頃になったので、隣村から嫁(よめ)をもらったと。

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牛になった爺婆(うしになったじじばば) 【宮城県

昔、あったと。あるところに金持ちの欲深(よくぶか)爺(じじ)と婆(ばば)がいたと。ある晩げのこと、旅の六部(ろくぶ)がやって来て

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ナスビとキュウリの相撲見物(なすびときゅうりのすもうけんぶつ) 【埼玉県

むかし、むかし。あるところにナスビとキュウリがあった。ナスビとキュウリは誘(さそ)いあって、大相撲(おおずもう)を見に行ったと。

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「しおのこ、しおのこ」の由来(しおのこ、しおのこのゆらい) 【高知県

むかし、農家の人は、一粒の米も無駄にせられんいうて、米俵の中の米が残り少のうなると、俵をさかさにして、俵のまわりや底のところを棒で叩いて、中の米を一粒残さず出したそうな。

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狼と飛脚と泣く子(おおかみとひきゃくとなくこ) 【広島県

むかし、むかしあったんだって。ある山の中に一匹の狼(おおかみ)がいたんだって。ちょうど今日みたいな寒い夜にね、狼は腹を空(す)かして、

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屁ひり婆の話(へひりばあのはなし) 【山口県

昔、あるところにひとりの婆(ばあ)さんがあった。婆さんは、お年貢(ねんぐ)の頃に上納(じょうのう)する米の計量(はかり)をちょろまかすのがうまくて、役人は困りはてていたと。

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野山で使う箸(のやまでつかうはし) 【山形県

昔あったけど。弘法(こうぼう)さまていう偉(えら)い坊さまが、あるとき旅してらして、河原で昼飯にするごとにしたど。

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六角堂の狸(ろっかくどうのたぬき) 【愛媛県

狸のなかに「そばくい狸」というのがあるそうな。この狸はそばの実が黒く色づく頃になると、そば畑へ転がりこんで、体中にそばの実をつけ、穴へ帰ってから実をふるい落としてポリポリ食うという。

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語り:井上 瑤/平辻 朝子

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