人間になれるなんてすごい( 10代 )
はァ、ちっとばか昔の話じャ。ある山奥に、まわりを峠(とうげ)に囲まれた里があってャ、稲刈りも終って、はァ、北風の吹きはじめる頃だったとョ。馬の背ェで…
むかし、福島県の浜通(はまどう)りにある村に、ひとりの爺(じ)ンちゃが住んであった。お正月も近くなったある日、町へ買い物へ出かけたと。その戻り道(み…
ざっとむかし、あるところに一人の木地師(きじし)の男があった。木地師というのは、ロクロを使って、木でまるいお椀(わん)や丸いお盆(ぼん)などを作る特…
むかし、あるところに爺さと婆さとふたりおって、貧乏暮らしをしとったと。あるとき、婆さが、「爺さんや、今日は少しぬくいから買物に行ってくれませんかのう…
昔、昔、大昔、そのまた昔があったと。上州の信州境(ざかい)に、デーラン坊という大男がおったと。どんなに大きい男かというと、上州の妙義山(みょうぎさん…
むかし、上州(じょうしゅう)、今の群馬県沼田(ぐんまけんぬまた)というところに、小幡上総介(おばたかずさのすけ)という侍(さむらい)がおったそうな。
利根川(とねがわ)の上流、群馬県は老神温泉(おいがみおんせん)の近く、追貝(おっかい)というところに一筋(ひとすじ)の川が流れている。名を片品川(か…
むかし、むかし、あったとさ。あるところに吝(けち)な男がいてあった。いつも、「飯(まま)食わねで、仕事をうんとする嬶(かかあ)欲しい」というていた。
むかし、むかしの大昔。ある山に親兎(おやうさぎ)と子兎(こうさぎ)が住んであったと。ある日、親兎が食べ物を見つけに行った。行くとき、子兎に、「寂しい…
むかし、あるところに正直(しょうじき)な爺(じ)さと婆(ば)さがあったと。あるとき、爺さが山で柴刈(しばか)りをしていたら、仔猿(こざる)が一匹、木…
むかし、あったとさ。上州(じょうしゅう)、今の群馬県の白根山(しらねさん)に、それはそれはおっそろしい鬼(おに)が住んでおった。その鬼は腹が空(す)…
むかし、上野(こうずけ)の国、今の群馬県(ぐんまけん)の榛名山(はるなさん)のふもとに立派(りっぱ)な館(やかた)があった。館にはひとりの可愛らしい…
むかし。下野(しもつけ)の国(くに)、今の栃木県のある村に、太郎兵ヱ(たろべえ)というお百姓がおった。ある時、太郎兵ヱは、なーんもしないのに、代官所…
昔、ある村に屁っぴりの娘がおったそうな。あんまりひっきりなしに屁をこくので、めったに外へ出ることはなかったと。「この娘(こ)は、一生嫁に行けないので…
昔、ある村を流れる川に河童が住んでいたと。河童は子供や馬を川の中へ引きこんだり、畑を荒らしまわったり、悪さばかりしておった。ある日の夕方、村の和尚さ…
昔、あるところに爺(じい)さんと婆(ばあ)さんが暮らしておったそうな。婆さんは耳が遠かったと。二人はよく働いてつつましく暮らしたのでだんだん金が貯(…
むかし、あるところにお寺があったと。その寺に毎日欠かさずお参りに来る婆さんがおった。雨の日も晴れの日も熱心に拝んで行く。が、拝みおえると、必ずウ-ウ…
昔昔、あるところに八百屋(やおや)があった。八百屋は魚屋の娘を嫁に貰(もろ)うたと。嫁はこまめに働くし、威勢はいいし、姑女さんも大層嬉(よろこ)んで…
昔、常陸(ひたち)の国上岡(うわおか)、今の茨城県久慈郡(くじぐん)大子町(だいごまち)に甚兵衛(じんべえ)さんという年寄りのきこりが一人で住んでお…
むかし、ある年のお盆の夜のこと。ある浜辺から、一隻(いっせき)の船が漁(りょう)に出掛けて行った。その晩は、風も静かで、空にも海にも星が輝き、まるで…
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語り:井上 瑤/平辻 朝子
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