人間になれるなんてすごい( 10代 )
むかし、むかしの大昔。大ぜいの獣(けだもの)が集まって力競べをしたことがあったと。その頃は、猪はまだ首が長かったし、亀は手足が長かったと。組合わせで…
むかし、糸魚川街道(いといがわかいどう)で荷物を運んでいた牛方に三十郎という者があった。ある日のこと、牛二頭を追って大網峠(おおあみとうげ)にさしか…
むかしがあったと。ある時、地獄(じごく)のえんま大王さまが、「近頃バカにひまでしかたねぇが、いってぇどうなってんだや」といって、家来(けらい)の鬼(…
むかし、むかし、奥州(おうしゅう)の会津(あいづ)に笹丸(ささまる)と菊世(きくよ)という貧しい夫婦(ふうふ)が暮らしていたと。二人には子供がなかっ…
昔(むかし)、京の都(みやこ)で源氏(げんじ)と平家(へいけ)が戦(いくさ)をしていた頃(ころ)のこと、信濃(しなの)の山あいの小さな里に、傷(きず…
むかし。あちこちの山を巡り歩いて修行(しゅぎょう)をするひとりの山伏(やまぶし)がおった。ある日、野原を通りかかると、道端(みちばた)で一匹のキツネ…
むかし、あるところに山のネズミがあった。山のネズミの食べる物はどんぐり、栃(とち)の実、アワにヒエだったと。山に雪が降って、食べ物をさがすのが大変だ…
むかし、あるところに双子の兄と弟がいてあったと。別のところに、これまた双子の姉と妹がいてあったと。縁あって、二組一緒に祝言(しゅうげん)をあげ、ひと…
むかし、と言っても、つい此(こ)の間(あいだ)。そうさな、五十年ほど前だったろうか。山梨の金山(かなやま)っちゅうところに、炭焼きの爺(じ)さまがお…
むかし、ある冬の日のこと、ある村に一人の旅のお坊さんが托鉢(たくはつ)に来たそうな。身(み)にまとっている衣(ころも)は、色が褪(さ)め、裾(すそ)…
むかし、あるところに大変な怠(なま)け者(もの)がおったと。自分の食う物をとるのさえ億劫(おっくう)なくらいで毎日寝てばかりの暮らしだったと。屋根は…
むかし、あるところに大層けちな男がおったと。あるとき、村の外へ出掛けていて屁をこきたくなった。男は、「肥(こやし)の息だ、もったいねぇ」といって、紙…
日本(にっぽん)は細長い国で、南と北では季節感がすこうしずれているわねぇ。でも、五月の今ごろは農家は、日本のどこもかしこも田や畑の仕事で大忙しの季節…
むかし、あるところに、米、味噌、醤油を売る店があったと。いく代(だい)も続いて信用もあったのだが、どうしたわけか、だんだん身上(しんしょう)が傾(か…
昔、あるところに吝(しわ)ん坊(ぼう)の男がおったと。日頃、飯(まま)食わぬ嬶(かかあ)が欲しいというておったが、そんな嬶はいるはずもない。ところが…
むかし、あるところに炭焼きの若い衆(し)が二人で、春炭(はるすみ)を焼きに山へ行ったと。ところが、どこでどう道を迷うたのか、行けども行けども炭焼かま…
むかし、あるところにひとりの狩人(かりうど)があったと。山で狩りをしていると、大きな岩の下で山犬がアカゴを三匹産んでいた。それを見た狩人は、そろりそ…
むかし、むかし。あるところに大きな鳥があって、「我(われ)こそが世界で一番大きい」と、自慢(じまん)しておった。ある日、この大鳥は、「おれさまほどの…
むかし、あるところに貧乏な爺(じい)と婆(ばあ)がおったと。師走(しわす)になったのに米が一粒もなくて、大晦日(おおみそか)の晩を侘(わび)しく過ご…
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※音声と文字は一部表記の異なる部分がありますが、ご容赦ください。
語り:井上 瑤/平辻 朝子
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