ドクのふぐが地獄行きなのが可哀想だった。( 10歳未満 / 男性 )
― 大阪府 ―
語り 井上 瑤
再話 六渡 邦昭
むかし、あるところに鯛(たい)とふぐとがおったと。
鯛とふぐは漁師の網にかかって死んだと。
死んだんで極楽へ入れてもらわんならん言うて、三途(さんず)の川渡って、なおも行くが行くが行くと大きな門があった。
そこに赤鬼と黒鬼と閻魔(えんま)さんがおった。ここは閻魔さんが地獄と極楽の振り分けをするところだと。
鯛が閻魔さんに、
「わたしを、どうぞ極楽へやって下さい」
と言うと、閻魔さん、
「うん、お前は婚礼(こんれい)や、めでたいときに使われて人間を喜ばしてきたから極楽にやってやる」
と言うて、極楽の門を開けて入れてくれたと。
ふぐも閻魔さんに、
「私も鯛どんと一緒に網にかかって死んでしもた。鯛どんと仲ようここまで来たんだから、極楽で一緒に住みたい」
と言うた。そしたら閻魔さん、
「いや、お前は人が食べたら毒をもって命をとるやつだから、極楽へは行けん。地獄じゃ」
と言うた。そしたらふぐが、
「行けまへんか。ほんなら、もう地獄は承知しましたけんど、せめて鯛どんに別れを言わせておくれな。あの極楽の門をちょこっと開けて、中ぁ見せてやって下さい。鯛どんも心配して、まだ門から離れてないはず」
と言うた。閻魔さん、
「ほんのちょこっとの間だけじゃぞ」
言うて、赤鬼に命じて極楽の門、少しだけ開けさせたと。
そしたらなんと、ふぐがするっと中に入ってしもた。赤鬼があわてて、
「こら、お前は地獄行きなのに極楽へ入ったらいかん。出てこい。やい、戻れ」
と、おらんだと。
そしたらふぐは、
「ふぐは内、鬼は外」
と言うて、豆をまいた。
それから、節分にはこう言うて豆をまくようになったと。
むかしのたねくさり。
ドクのふぐが地獄行きなのが可哀想だった。( 10歳未満 / 男性 )
面白かったです。ふぐは頭が良いなと思いました。( 10代 / 男性 )
一生懸命がんばって話しているのにイントネーションが間違っているということをいうのはよくない。
たいとふぐを読ませていただきました。 ふぐが賢いなぁと思いました。( 10歳未満 )
大阪弁のイントネーションがかなり間違っています。 ( 70代 / 女性 )
むがす、むがす、あっどごに貧乏だったげんども、正直で働き者の百姓がいたど。 八十八夜様が来っと、何がなくても餅を搗いて神さんさ上げて、豊作を祈願してたど。 ところが、ある年のこと、不作で飯の米にもこと欠くようで、八十八夜様がやって来ても、餅搗いて上げようもなかったんで、隣近所さご無心して、やっと餅を搗いて上げることができたど。
昔むかし、ある所に爺さんと婆さんがおったそうな。爺さんは毎日山へ木ィ伐(き)りに、婆さんは川へ洗濯(せんたく)に行っていたと。あるとき、爺さんが山で…
昔、あるところに、貧乏な爺さと婆さがおったと。年の暮れになれば、年とり米も年とり魚もかわねばならんので、爺さは毎年山へ行っては門松(かどまつ)を取って来て、それを町へ持って行って、売り歩いておったと。
「たいとふぐ」のみんなの声
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