民話の部屋 民話の部屋
  1. 民話の部屋
  2. 動物の争いにまつわる昔話
  3. 猿の仲裁

※再生ボタンを押してから開始まで時間がかかる場合があります。

さるのちゅうさい
『猿の仲裁』

― 長野県 ―
語り 井上 瑤
再話 六渡 邦昭

 むかし、ある所に大猫(おおねこ)と小猫(こねこ)がおったそうな。
 ある日のこと、この二匹(にひき)の猫が揃(そろ)って歩いて行くと道端(みちばた)におむすびが二つ落(お)ちていた。小猫の拾(ひろ)ったのは大層(たいそう)大きく、大猫の拾ったのはごく小さいものであったそうな。
 そこで大猫は小猫に向(む)かって、
 「お前はからだが小さいから、おむすびも小さいので良(よ)い。その大きなのをおれにくれ。そのかわりに、これをお前にやるから」
と言って、小さいおむすびを差(さ)し出した。
 「いやな事よ。あなたはもう大きいから、小さいので良い。私はまだ太(ふと)らねばなりませんから大きなものを食べます」
と言って、大きなのを渡(わた)さない。

 
 「なあ、替(か)えようよ」
 「いやです」
 「渡せ」
 「いやよ」
 二匹の猫は喧嘩(けんか)をはじめたが、いつまでたっても互(たが)いに譲(ゆず)らない。

 そこで、猿(さる)さんのところへ行って聞いてもらおうということになり、猿に頼(たの)んだそうな。猿は快(こころよ)く聞き、すぐ手秤(はかり)を持(も)って来て、二つのおむすびを計(はか)り始めた。
ところが、こちらが重(おも)いといって大きいのを一口食い、食い過(す)ぎたといって小さい方を一口食い、とうとう二つのおむずびを全部(せんぶ)食うて終(しま)った。

 二匹の猫は二つとも猿に食われて終い、泣(な)く泣く帰(かえ)ったそうな。

  それっきり。

「猿の仲裁」のみんなの声

〜あなたの感想をお寄せください〜

楽しい

サルが仲裁してて面白いと思いました

こんなおはなしも聴いてみませんか?

湖山長者(こやまちょうじゃ)

むかし、因幡(いなば)の国(くに)、今の鳥取県に湖山長者という大層欲深かな長者がおったと。長者の田んぼは千町もあって、その田んぼを一日で植えるしきた…

この昔話を聴く

宝の米俵(たからのこめだわら)

 むかし、農家では米俵(こめだわら)をあけて中の米をくみ出し、俵(たわら)の中の米が残り少のうなると、さかさまにして俵のまわりや底のところを棒(ぼう)で叩(たた)き、中の米を一粒(ひとつぶ)残さず出したそうな。

この昔話を聴く

ほらくらべ

昔、江戸のほら吹きが越後(えちご)のてんぽこきのところへ、ほらくらべにやって来たそうな。ところが、その時はちょうど越後のてんぽこきが留守だったので、…

この昔話を聴く

現在886話掲載中!