ふくろうがなんか可哀想だなと思いました。( 10代 / 女性 )
― 宮崎県 ―
語り 井上 瑤
再話 比江島 重孝
整理・加筆 六渡 邦昭
むかし、むかし、鳥の仲間の一番の頭(かしら)に、孔雀(くじゃく)という鳥がいたと。
その孔雀が、あるときワナにひっかかって、身動き出来なくなったそうな。
仲間の鳥たちは大騒動だと。
挿絵:福本隆男
「一番の頭がひっかかったげな」
と、あちこちに伝令(でんれい)が飛(と)んで行き、たくさんの鳥たちが集まったと。
「どげんして、一番の頭を助け出そうかい」
と、相談がはじまった。
すると、ふくろうどんが、
「そりゃ、たやすいこっちゃ。みんなで寄ってたかって、羽をひっぱり、足をひっぱり、首をひっぱりすればいいがな」
「あほうなことをいうふくろうどんだ。そんげなことをすりゃあ、大将の首はひっちぎれてしもうが」
ふくろうは、みんなにやりこまれてひっこんだげな。
すると、そのとき、みそさざえという小(こ)んまい鳥が、
「鳥のワナには、じわりという棒(ぼう)があって、その棒が孔雀どんを締(し)めつけているじゃ。そのじわりに、みんなしてのぼって、はずしたらいいが」
というた。
「そんな棒があるんか。それさえはずせばいいんじゃな。よしわかった。ええ、そりゃええ考えだ。みんなでじわりにのぼれ」
挿絵:福本隆男
鳥たちは、そういうて、みんなしてワナのじわり棒にのぼったげな。
すると、鳥の重みでじわり棒ははずれて、頭の孔雀どんは助かったげな。
鳥の仲間たちは、頭が助かったお祝いをしたと。
お祝いの席で、鳥たちは、
「みそさざえどんは工夫(くふう)がよかった。それにくらべて、ふくろうどんは知恵者といわれていたのに、とんでもないことをと言うた。
「そうじゃ、ふくろうどんは目ざわりじゃから、昼間は出られんごつしてもらわにゃならん」
と、ふくろうどんに文句をいうた。
ふくろうどんは、すっかりしおれてしもうて、それからは、昼間は木の洞(うろ)におって、夜だけ飛んであるくようになったげな。
こう申(もう)す 米ン団子(だんご)。
ふくろうがなんか可哀想だなと思いました。( 10代 / 女性 )
挿絵がきれい!いつもは寝る時に耳で聞くだけだったから今までのお話の絵も見てみます。( 10代 / 女性 )
むかしあったと。 あるところに人里離れた寺があったと。 来る和尚さまも、来る和尚さまも、みんな何かの化物にとって食われて、次の日には居なくなってしまう。 村では、和尚さまが居なくては法事も出来ん。困っておったと。
私の父は、怪(あや)しいものをてんで信じない人でした。 昔、まだ道路がついていなかった頃(ころ)、高知に用のある人は、みんな相川(あいかわ)の山を越(こ)え、土佐山(とさやま)を抜(ぬ)けて行かなければならなかったといいます。
「鳥の知恵」のみんなの声
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