怖いけど私も実際に見てみたい( 10歳未満 / 女性 )
― 宮城県 ―
語り 井上 瑤
再話 佐々木 徳夫
昔ね、
あるお寺の雪隠(せっちん)に狸(たぬき)が棲(す)みついて、雪隠に入るたびにいたずらすんで、和尚(おしょう)さんは「行かずの雪隠」と名づけて、締(し)め切ってたど。
ある日のこと、和尚さんが、
「小僧(こぞう)や、御法事(ごほうじ)さ行って来るがら、行かずの雪隠さ近寄(ちかよ)んでねえぞ」
て言って出かけたど。
近寄るな、という所には行きたいもんで、小僧は戸をこじあけて入ったど。
別に変わったこともねえ。なあんだ、普通の雪隠でねえが、と思って用を足してたら、下から白い手がヌーッと出て来て、尻をペタペタ叩(たた)いたり、撫(な)でたりされたんで、「キャーッ」って飛び上がったら、入り口に男と女の生首(なまくび)がブランと下がって、ニッタニッタ笑ってんで、腰(こし)抜かしてしまったど。
小僧はやっと這(は)い出して、蒲団(ふとん)をかぶってブルブル震(ふる)えながら寝(ね)てたど。
間もなく表でカタッ、カタッと下駄(げた)の音がして、スーッと戸が開いたんで、あっ、和尚さんが帰って(けぇって)来た、と思ってホッとしたど。
「小僧、今帰った(けぇった)ぞ。お前(おめえ)、行かずの雪隠さ行ったべ」
「はい」
「下から白い手がヌーッと出て来て、尻をペタペタ叩いたり、撫でたりしたべ」
「はい」
「入り口に男と女の生首がブランと下がって、ニッタニッタ笑ったべ」
「はい」
「こんな顔でながったかあ」
て言いながら、蒲団をめくったと思ったら、またヌーッと生首が近寄って来て、ニッタニッタ笑ったど。小僧は、
「キャーッ」
て、蒲団をかぶってブルブル震えてたど。 ほうしたら、また表でカタッ、カタッと下駄の音がして、スーッと戸が開いたど。
小僧は、また化け物が近寄って来るな、と思って、ぎっつり蒲団をつかんでいたら、
「小僧や、今帰ったぞ。何だどこにいるんだ」
和尚さんは、小僧が蒲団をかぶって寝てんだと思って、さっと蒲団を剥(は)いだら、
「キャーッ」
て、小僧が気絶してしまったど。
和尚さんは、
「小僧、あれほど言ったのに行かずの雪隠さ行ったな。俺だ、俺だ。これからは二度と近寄るな」
て言ったどさ。
こんで、えんつこもんつこ、さけた。
怖いけど私も実際に見てみたい( 10歳未満 / 女性 )
生首、白い手、怖すぎwww やっぱりいけないことをするといかんのですネ~ 気をつけないと("^ω^)(皆さんもネ)( 10代 / 女性 )
これは北海道日高(ひだか)地方のアイヌに伝わるお話昔、かあさんギツネが石狩の村の裏山に暮らしていた。かあさんギツネは子沢山(こだくさん)で、食べ物さ…
とんと昔、あるところに何代も続いた大きな家があった。 土佐では、古い家ほど火を大切にして、囲炉裏(いろり)には太い薪(たきぎ)をいれて火種が残るようにしよったから、家によっては何十年も火が続いておる家もあったそうな。
「行かずの雪隠」のみんなの声
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