民話の部屋 民話の部屋
  1. 民話の部屋
  2. 動物や異類の婿にまつわる昔話
  3. 菖蒲湯の由来

※再生ボタンを押してから開始まで時間がかかる場合があります。

しょうぶゆのゆらい
『菖蒲湯の由来』

― 岐阜県 ―
語り 井上 瑤
再話 大橋 和華
整理・加筆 六渡 邦昭

 昔々、小さなお城(しろ)があったと。
 そのお城に、それはそれは美しいお姫(ひめ)様があったと。

 夜更(よふけ)になると、毎晩(まいばん)、立派(りっぱ)な若侍(わかざむらい)が遊びに来たと。お姫様のおつきの者は、どうも怪(あや)しいと、若侍のはかまの裾(すそ)に針(はり)を刺しておいたと。すると若侍は、その針が刺さって血をたらしながら帰って行った。
 おつきの者がその血のたれた跡(あと)をつけて行ったら、草っ原(くさっぱら)や藪(やぶ)を通って、岩の洞穴(ほらあな)へ入って行ったようだ。
 おつきの者が、これは、いよいよあやしいと思うて、耳をすませて聞いてみたら、中では親蛇(へび)が子蛇に話しているところだった。


 「それみよ、針(はり)の毒(どく)は、蛇の体に入ると体が腐(くさ)ってしまうぞ」
というと、子蛇が、
 「俺(おれ)は死んでも、もうかわりの子供は作ってあるでええ」 
というた。そしたら親蛇は、
 「人間は大変利口なもんであるから、きっと菖蒲酒(しょうぶざけ)を飲ませて、その子供をおろしてしまう」
と話したと。

 それを聞いた姫のおつきの者は、さっそく菖蒲酒を作って、お姫様に飲ませ、その子供をおろしてしまったと。
 それで、今でも五月の節句(せっく)には魔(ま)よけになると言って、屋根の四方(しほう)に菖蒲をさしたり、風呂へ菖蒲を入れたりするようになったのだと。
 そればっかり。

「菖蒲湯の由来」のみんなの声

〜あなたの感想をお寄せください〜

怖い

ショック!( 10代 / 女性 )

こんなおはなしも聴いてみませんか?

きのこの化け物(きのこのばけもの)

むかし、あるところに、お宮があったんだと。お宮の裏で、毎晩、化け物がいっぱい出て唄ったり、踊ったりしていたんだと。この村に、踊りの大好きな爺さまがい…

この昔話を聴く

法印様と女房(ほういんさまとにょうぼう)

とんと昔があったと。昔、丸坊主頭(まるぼうずあたま)の法印様(ほういんさま)と女房(にょうぼう)が連れだって旅をしたと。長い道中で、女房が小便が出たくてたまらなくなった。

この昔話を聴く

吉四六さんの鴨捕り(きっちょむさんのかもとり)

吉四六(きっちょむ)さんが、あるとき、大きな瓢箪(ひょうたん)のくびれたところに長い縄(なわ)をくくりつけ、鴨(かも)のおりる池にやって来た。縄の端…

この昔話を聴く

現在881話掲載中!