苦手なものを聞き出し、おじいさんを倒そうとしたきのこ。きのこが自分を倒そうとしてくるのを見越してわざと大判小判と欲しいものを答え、反対にきのこの苦手なものを聞き出す。自分の弱点を正直に答え、おじいさんの答えである大判小判を素直に嫌いなものと信じてしまうきのこ。おじいさんの頭脳プレーの勝利だけど、駆け引きする人間と素直で純朴な自然の精霊を対比していると思った。( 40代 / 女性 )
― 新潟県 ―
語り 井上 瑤
再話 六渡 邦昭
むかし、あるところに、お宮があったんだと。
お宮の裏で、毎晩、化け物がいっぱい出て唄ったり、踊ったりしていたんだと。
この村に、踊りの大好きな爺さまがいて、ある時、
「その化け物、わしが行って見とどけてくる」
と言うての、夜更けに出かけていった。
ほしたら、お宮の裏で小人がいっぱい集まって、唄ったり踊ったりしている。
踊りの好きな爺さまは、初めは隠れて見ていたが、その内たまらなくなっての。
一緒に踊り始めたと。
踊りながら、
「お前ら、何の化け物だ」
「俺ら、きのこの化け物だ、おめえ何の化け物だ?」
「わしは、人間の化け物だ」
「ほうか人間の化け物か、おめえは、何がいっち嫌いだ?」
「わしは大判小判だ、おめえらは何がいっち嫌いだ?」
「俺ら、ナスの塩水だ」
二言、三言、言葉を交してまた踊っていた、と、ほうしている内に小人達が、大判小判を持って来て、
「そら怖がれ、怖がれ」
と、爺さまにぶっつけはじめた。
爺さまは、
「おっかね、おっかね」
と、逃げて来たと。
ほしてナスの塩水を桶にいっぱい作って、ひき返し、
「ほらナスの塩水だ」
と言いながら小人の頭からジャ―ジャ―かけたんだと。
ほしたら小人はいつの間にかみんな、どっかへ行って終ったんだと。
次の朝、爺さまが、お宮の裏へ行ってみたら、きのこがいっぱい、しおれてグダッとしていたと。
周りには大判小判がいっぱい落ちている。
爺さまは、それを拾って来て一生安楽に暮らしたと。
いまがさけたどっぴん
苦手なものを聞き出し、おじいさんを倒そうとしたきのこ。きのこが自分を倒そうとしてくるのを見越してわざと大判小判と欲しいものを答え、反対にきのこの苦手なものを聞き出す。自分の弱点を正直に答え、おじいさんの答えである大判小判を素直に嫌いなものと信じてしまうきのこ。おじいさんの頭脳プレーの勝利だけど、駆け引きする人間と素直で純朴な自然の精霊を対比していると思った。( 40代 / 女性 )
むかしむかし、 あるところに爺(じい)さんと婆(ばあ)さんがいだど。 爺さんは七十五、婆さんは七十で、どっちも、目もはっきりしていたし、歯も、漬物ぱりぱりと食っていで、まだまだ達者だったど。
昔むかし、ある所に爺さんと婆さんがおったそうな。爺さんは毎日山へ木ィ伐(き)りに、婆さんは川へ洗濯(せんたく)に行っていたと。あるとき、爺さんが山で…
昔はね、どこもかしこも貧しかったでしょ。だから、女子は家のことは何でもやらなきゃならなかったの。縫い物は特にそうね。破れ物の繕いや、着物を縫い上げるなんてのは当たり前のことだった。
「きのこの化け物」のみんなの声
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