子供の頃に読んだ話だが、最近、この話をよく思い出す。 娘が当に反抗期で、アマガエルの息子のようだ。このアマガエルの母親の気持ちがよくわかる。もし私も重い病気になったら娘を信じられず反対の事をいうかも知れない。( 40代 / 女性 )
― 岐阜県 ―
語り 井上 瑤
再話 大島 廣志
再々話 六渡 邦昭
むかし。
あるところに雨蛙(あまがえる)の親子がおった。
親蛙(おやがえる)は子蛙(こがえる)を大事に育てたが、子蛙はちっとも親蛙の言うことを聞かん。
親蛙が、暑い日に、
「今日は暑いなあ」
といえば、子蛙は、
「今日は寒いなあ」
といい、
「山へ行け」
というと、
「川へ行く」
というて、なんでもかんでも親蛙の言う事の反対ばかりをしておった。
親蛙は重い病気にかかってしもうた。
いよいよ死にそうになったときに、親蛙は、
<死んだら山にうめてもらいたいが、今までいくら言うても反対のことばかりする子だから『山にうめてくれ』と言うと、川のそばにうめるだろう。だから『川のそばにうめてくれ』と言えば、きっと山にうめるに違いない>
と考えた。
そして子蛙を枕元(まくらもと)に呼んで、
「おれが死んだら、川のそばにうめて、墓をたててくれ」
と言うと、子蛙も、やっと目がさめて、
<ああ、おれは、今までなんでもかんでも親の言う事の反対ばかりをしてきて申し分けなかった。親が死ぬときに『川のそばにうめてくれ』と言うたから、せめてひとつぐらい言う通りにしよう>
と思うて、泣きながら、親蛙を川のそばにうめて、墓をたてた。
ところが、川のそばだから、雨が降ると大水が出て、親蛙の墓が流されそうになる。
それで雨蛙は、今でも雨の前になると、
「親が流れる。親が流れる」
というて、ギャッ、ギャッ、ギャッ、ギャッと鳴いているんだと。
だから"雨蛙が鳴くと雨が降(ふ)る"というんだよ。
いきがさけた。なべのしたガリガリ。
子供の頃に読んだ話だが、最近、この話をよく思い出す。 娘が当に反抗期で、アマガエルの息子のようだ。このアマガエルの母親の気持ちがよくわかる。もし私も重い病気になったら娘を信じられず反対の事をいうかも知れない。( 40代 / 女性 )
どっちにしろ親ガエルの反対をしている( 10代 / 女性 )
これは、ずうっと昔、キリシタンを厳(きび)しく取り締(し)まった頃の話だ。陸前(りくぜん)の国、今の宮城県の鹿島(かしま)という町に隠れキリシタンの藤田丹後という武士がおったと。
むかし、ある村に爺(じ)さまと婆(ば)さまがおったと。 あるとき二人で大根の種を蒔(ま)いたら、秋になってどこのものより育(おが)ったと。 爺さまと婆さまが大根を掘(ほ)りに畑へ行ったら、とりわけ一本、今まで見たこともない大きな大根があった。
「雨蛙の親不孝」のみんなの声
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