うんちが入ったなすを食べるようすを想像すると、怖くてたまらないです。( 10歳未満 / 男性 )
― 宮城県 ―
語り 井上 瑤
話者 佐藤 義子
採集・再話 佐々木 徳夫
整理・加筆 六渡 邦昭
むがすあったずもな。
あるどごに旅人(たびびと)がいて、歩いでいだら日が暮れだ。
「野宿はしたくねぇし、今夜一晩(ひとばん)泊めて呉(け)るどご無(ね)がなぁ」
っで言って、なおも歩いでいだら、うまいごどに一軒家(いっけんや)があったど。
「旅の者だが、何とか一晩泊めてもらえねべが」
っで言っだら、お婆(ば)ンつぁんが孫を抱いて出て来て、
「この通りのあばら家(や)でもよがったら、お泊まんなえん」
っで言って、旅人んこと、囲炉裏端(いろりばた)さ招(しょう)じ入れたど。お婆ンつぁんは、
「ちょうど雑炊(ぞうすい)を作ってだがら、熱(あっつ)いどごあげっから」
っで言って、孫を膝さ抱き上げて、シャクシで雑炊をかき混ぜたど。
旅人は火に手をかざしてあたりながら、今できるか、今できるかと待っていたど。
お婆ンつぁんの膝の上の孫、顔赤らめて息んだったが、そのうち孫の裾(すそ)から、かたいナニがコロコロ転がって、鍋の中さポチャンと入ったど。気がつかねえお婆ンつぁん、シャクシでガラガラかき混ぜたど。
旅人は腹の虫がグーグー鳴っても、とっても食う気がしなかったど。
お婆ンつぁん、欠けた椀にその雑炊山盛りにして、
「さぁさ、どうぞおあがんなえん」
っで言っだ。
「あいや、あ、痛ダ、イダダァ。急に腹が差し込んで、あ、痛ダ。せっかくだども、今夜は食わねほうがいいど思うがら、お湯コだけいただきます」
旅人は、なんとか雑炊をまぬがれて、煎餅蒲団(せんべいぶとん)かりて寝たど。んだども、腹の虫がグーグー騒(さわ)いで収まんね。厠(かわや)さ起きる振りして、そうっと台所さ行って戸棚(とだな)の中を探したら、小皿に茄子(なす)がひとつあったど。ホヤーと温(ぬ)くかったんで、煮付の残りかと思って、一口に食ってしまっだど。
次の朝ま、お婆ンつぁんが台所で、
「小皿さ置いでだ茄子が見えなくなったや。どごさ行ったべ。ありゃぁ温めて痔(じ)をあっためる茄子なのに」
っで言ってるのを旅人が聞いだ。
旅人は気持ち悪くなったげんども、腹の底さ入ってしまって、何どもしょうがなかったど。
こんで、えんつこもんつこ、さげた。
うんちが入ったなすを食べるようすを想像すると、怖くてたまらないです。( 10歳未満 / 男性 )
とても面白いです!
うんちが入ってしまったなんてとてもぐうぜんだと思いました! 面白かったです!
泊めてくれるいいおばあさんの家に泊めてもらったのにうんこの入った雑炊を出されるはお尻を吹いたナスを食べるはで怖いけどゆかいだ。( 10代 / 男性 )
昔、あったず。ある所ね、爺様と婆様あったず。その家の裏に大き木ぃあったず。あるとき、又八ず人ぁ来て、「家の裏にある、けやき売れ」たへで、婆様、「良え」て、売るごどねしたず。
「見なきゃ良かった 聞かなきゃ良かった」のみんなの声
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