民話の部屋 民話の部屋
  1. 民話の部屋
  2. 面白い人・面白い村にまつわる昔話
  3. 茶のはじまり

※再生ボタンを押してから開始まで時間がかかる場合があります。

ちゃのはじまり
『茶のはじまり』

― 鹿児島県 ―
語り 井上 瑤
再話 田畑 英勝
整理 六渡 邦昭

 昔、大島にお茶というものの伝わった初味見の話。
 大島のある村に、お茶というものが来た、というて、村中の老人、青年、女、子供、みんな浜に出て、味見をすることになったと。
 大きな釜(かま)を浜に据(す)え、お茶を煮て、てんでにお椀を持って集まったところで、村の年寄りの一人が立ちあがっていうた。
 
※大島…現在の鹿児島県大島郡

 
 「若い者は、これから先の世が長いし、今後いくらでもお茶というものを食べる機会もあるが、われわれ年寄りなどは先の世が短いので、これから先、お茶を食べることが出来るかどうかもわからない。
 
 だから、このたびは年寄りにはうんと葉を入れて、若い人たちは汁を飲んでくれ」
と、いうたと。 
 それで、若い人たちは汁を飲み、年寄りたちは茶の葉を食べたそうな。

 おかしやな。 

「茶のはじまり」のみんなの声

〜あなたの感想をお寄せください〜

一番に感想を投稿してみませんか?

民話の部屋ではみなさんのご感想をお待ちしております。

「感想を投稿する!」ボタンをクリックして

さっそく投稿してみましょう!

こんなおはなしも聴いてみませんか?

虎と蝸牛の競争(とらとかたつむりのきょうそう)

むかしむかし、ある竹藪(たけやぶ)の中に、大きな虎が一匹住んでおったと。虎は日ごろから、ひととび千里(せんり)じゃ、と走ることの早いのを自慢(じまん)にして、いばっておったと。

この昔話を聴く

アラキ王とシドケ王(あらきおうとしどけおう)

 むかし、むかし、九州のずっと南にある喜界(きかい)ガ島(じま)というところに、二人の王さまがおったそうな。  アラキ王とシドケ王といって、ふたりとも、大層(たいそう)力持ちの王さまだったと。

この昔話を聴く

蜘蛛女(くもおんな)

昔あるどごろに、小間物(こまもの)の行商(あきない)している男がいであったど。ある在郷(ざいごう)を行商して歩(あり)いている内(うち)に、道に迷っ…

この昔話を聴く

現在886話掲載中!