― 広島県 ―
語り 井上 瑤
再話 垣内 稔
整理・加筆 六渡 邦昭
むかし、むかしあったげな。
ある旅の商人(あきんど)が大けな荷物を肩(かた)にかついで、丸太の一本橋の上を渡(わた)ろうと思いよったら、向こうからもひとりのお侍(さむらい)が渡りょったげな。
旅の商人は、
「どうしたもんかいのう。ふたりは渡らりゃせんけぇ、待っとらんにゃいけんが」
と思うて、待っちょったげな。
ほしたら、橋ぅ渡りょったお侍が、ふらふらっとゆれて、ぶらんと橋の下へぶらさがったげな。
旅の商人は、たまげてそばへかけよると、落ちそうになっとるお侍の手をしっかりつかまえちゃったんじゃげな。
橋の下は、そりゃものすごい崖(がけ)っぷちじゃたげなで。
その次を話そうか、話すまいか。
ン、話せてか。そうか、はなしていいんじゃな。ンでは。
旅の商人は、ぎゅっとにぎっとった手をはなしたもんじけぇ、お侍はどぷんと崖っぷちへ落ちて、死んだげ な。
それでしまいよう。
なんまんだぶ なんまんだぶ。
民話の部屋ではみなさんのご感想をお待ちしております。
「感想を投稿する!」ボタンをクリックして
さっそく投稿してみましょう!
むかし、あったけど。あるところに爺さまがあって、山の中で働(はたら)いていたと。せい出して働いていたら帰り時をあやまったと。じきに暗くなって、爺さま道に迷って困っていると、向こうの方に灯(あかり)がテカン、テカンと見えた。
むかしむかし、ヒバリとウズラとヨシキリは、仲良く一緒に暮らしていたそうな。ある日、ウズラに用ができて町へ出掛けることになったと。ウズラは履き物が無かったので、ヒバリの草履を借りようと思った。
弘安(こうあん)四年、西暦(せいれき)では一二八一年、今からおよそ七〇〇年以上もの昔、九州の福岡県の博多(はかた)あたりの浜辺(はまべ)へ、海をへだてた隣(となり)の国、元(げん)の軍隊がたくさんの軍船に乗ってせめ寄ってきた。
「話そうか話すまいか」のみんなの声
〜あなたの感想をお寄せください〜