民話の部屋 民話の部屋
  1. 民話の部屋
  2. 面白い人・面白い村にまつわる昔話
  3. きん玉を取られる話

※再生ボタンを押してから開始まで時間がかかる場合があります。

きんたまをとられるはなし
『きん玉を取られる話』

― 青森県 ―
語り 井上 瑤
再話 能田 多代子

 むかし、あるところに仲(なか)のよい夫婦(ふうふ)があったと。
 男は毎日(まいにち)ぼろの仕事着(しごとぎ)を着て行くので、もう少しこぎれいな着物(きもの)を着て行けと、嬶(かか)が小ざっぱりしたよい着物をこさえてやったと。
 それを着て山へ行ったが、亭主(ていしゅ)はもったいないと思って、脱(ぬ)いで木の枝(えだ)にひっかけた。
 すると、それが木の枝ではくて寝(ね)ている狐(きつね)で、着物をかぶったまま走(はし)って行ってしまったと。

 
きん玉を取られる話挿絵:福本隆男
 

 どうしようと心配(しんぱい)して戻(もど)ると、嬶は、
 「着物くらいで心配しないで」
と言うから安心(あんしん)したと。

 
 翌日(よくじつ)山に行くと、白い大きい鳥(とり)がいたのでマサカリを投(な)げつけると当(あ)たって死(し)んだ。
 そばに行ってよく見ると自分の母親(ははおや)であったから、亭主(ていしゅ)は青い顔して家に戻(もど)った。
 すると、嬶が、
 「年寄(としよ)りは早く死ぬのが順(じゅん)だから心配だから心配しないで」
と言うから安心して弔(とむら)ったと。



 
 その次には沼(ぬま)へ鴨打(かもう)ちに行くとたくさんいたから、着物を脱(ぬ)いで褌(ふんどし)を取って沼に入って打つと何匹(なんびき)も捕(と)れた。
 喜(よろこ)んで上がろうとすると、蟹(かに)に金玉(きんたま)を挟(はさ)まれて取られてしまった。
 どうしようと心配して戻ると、嬶は、
 「金玉のないところに稼業(かぎょう)していたくない」
と言って、出て行ってしまったと。

  とっちぱれ。

「きん玉を取られる話」のみんなの声

〜あなたの感想をお寄せください〜

楽しい

きんたまとるなんてへんたいですね。( 10歳未満 / 男性 )

感動

金玉サイコー ( 10歳未満 / 男性 )

怖い

やさしい嬶は、金玉目当てだったんですね。

もっと表示する
楽しい

カニの威力変態みたいにやばすぎて思わず吹いたw( 10代 / 女性 )

楽しい

カニの話の威力エグすぎるなーと思った( 10代 / 男性 )

楽しい

カニのいりょくやばいぐらい強いじゃん このカニに金玉取られたら人生終わるってやばい( 10歳未満 / 男性 )

悲しい

おもろすぎる( 10歳未満 )

驚き

ちょっと面白い話ですね~。( 10歳未満 / 男性 )

感動

おもろすぎ( 10歳未満 / 男性 )

驚き

流石にキモい( 10歳未満 / 男性 )

こんなおはなしも聴いてみませんか?

二百人の泥棒(にひゃくにんのどろぼう)

むかし、ある山の中に、二つの泥棒村があったと。上(かみ)の村には泥棒が百人、下(しも)の村にも泥棒が百人住んでおったと。あるとき、上の村の泥棒たちが…

この昔話を聴く

死神様(しにがみさま)

昔、あるところに運の悪い男がおったと。ある年(とし)の瀬(せ)に、男は隣り村へ用足しに行って帰りが夜中になったと。林の中の道を、木がざわざわするたん…

この昔話を聴く

おまん狐(おまんきつね)

はァ、ちっとばか昔の話じャ。ある山奥に、まわりを峠(とうげ)に囲まれた里があってャ、稲刈りも終って、はァ、北風の吹きはじめる頃だったとョ。馬の背ェで…

この昔話を聴く

現在882話掲載中!