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さけのみ
『酒呑み』

― 山形県 ―
語り 井上 瑤
再話 武田 正
整理・加筆 六渡 邦昭

 むかしむかし、あるどこさ、酒好きで酒好きで、毎日毎日、朝から呑(の)んでいる夫(とと)がいだんだけど。
 田でも畑でも、
 「あそこは何升(なんしょう)、あそこは何ぼかな」
て、みんな酒に見えるんだど。


 米を買えば買ったで、これは何升になるなぁ、て、ドブロクを作ったときの量にしてしまう。
 あるどき、隣村(となりむら)さ用達(ようた)しに行って、酒御馳走(ごちそう)なったげんど。
 だげんど、ちょっど呑み足りなぐって、もっと呑ませろ、とも言えねべ。いそいで家さ帰ってきて、
 「こりゃ、こりゃ、酒出せ」
て、言うた。


 「うーう、酒ばり呑んでけずがる」
て、婆(ば)ンチャと嬶(かかあ)が目くばせしあっで、酒ではなぐ、米のとぎ汁、茶碗(ちゃわん)さ汲(く)んで渡(わた)した。
 そしだら、ドクドク、ドクドクて呑んで、
 「いま一杯」
て、言うた。
 また、白いとぎ汁汲んでやっだら、ドクドク、ドクドクて、一息(ひといき)に呑んでしまっで、
 「もう一杯」
て、言うた。
 「こだえ呑みだいのだら仕方ない。嬶(かかあ)汲んできてやれ」
て、婆(ば)ンチャ言うので、嬶、こんだあ、ほんとのドブロク汲んできてやったら、夫(とと)、
 「ああ、やっと酒の味してきた」
て言うたけど。
 
  どんびんからりん、すっからりん。

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