民話の部屋 民話の部屋
  1. 民話の部屋
  2. 面白い人・面白い村にまつわる昔話
  3. 酒呑み

※再生ボタンを押してから開始まで時間がかかる場合があります。

さけのみ
『酒呑み』

― 山形県 ―
語り 井上 瑤
再話 武田 正
整理・加筆 六渡 邦昭

 むかしむかし、あるどこさ、酒好きで酒好きで、毎日毎日、朝から呑(の)んでいる夫(とと)がいだんだけど。
 田でも畑でも、
 「あそこは何升(なんしょう)、あそこは何ぼかな」
て、みんな酒に見えるんだど。


 米を買えば買ったで、これは何升になるなぁ、て、ドブロクを作ったときの量にしてしまう。
 あるどき、隣村(となりむら)さ用達(ようた)しに行って、酒御馳走(ごちそう)なったげんど。
 だげんど、ちょっど呑み足りなぐって、もっと呑ませろ、とも言えねべ。いそいで家さ帰ってきて、
 「こりゃ、こりゃ、酒出せ」
て、言うた。


 「うーう、酒ばり呑んでけずがる」
て、婆(ば)ンチャと嬶(かかあ)が目くばせしあっで、酒ではなぐ、米のとぎ汁、茶碗(ちゃわん)さ汲(く)んで渡(わた)した。
 そしだら、ドクドク、ドクドクて呑んで、
 「いま一杯」
て、言うた。
 また、白いとぎ汁汲んでやっだら、ドクドク、ドクドクて、一息(ひといき)に呑んでしまっで、
 「もう一杯」
て、言うた。
 「こだえ呑みだいのだら仕方ない。嬶(かかあ)汲んできてやれ」
て、婆(ば)ンチャ言うので、嬶、こんだあ、ほんとのドブロク汲んできてやったら、夫(とと)、
 「ああ、やっと酒の味してきた」
て言うたけど。
 
  どんびんからりん、すっからりん。

「酒呑み」のみんなの声

〜あなたの感想をお寄せください〜

怖い

この話なにも感じない

驚き

夫に米のとぎ汁を飲ませる笑笑ヾ(≧∀≦*)ノ〃

楽しい

夫さんが酒を飲みすぎていて楽しかった。 ( 10歳未満 )

こんなおはなしも聴いてみませんか?

狼石(おおかみいし)

 南部と秋田の国境(くにざかい)に、たった二十軒(けん)ばかりの淋(さび)しい村がある。この村から秋田の方へ超(こ)えて行く峠(とうげ)の上に、狼(おおかみ)の形をした石が六個(こ)並(なら)んでいる。

この昔話を聴く

吉四六さんさざえを買う(きっちょむさんさざえをかう)

むかし、大分県の野津市というところに、吉四六という知恵者の男がおった。あるとき、吉四六さんが臼杵の街を通りかかると、魚屋の店先に、十個ばかりのさざえがあるのが目にとまった。

この昔話を聴く

蛙女房(かえるにょうぼう)

昔、あったてんがな。あるところに父(とっつあ)と嬶(かっか)があった。あるとき父が沼のほとりを歩いていたら、道端(みちばた)で一匹の蛙(かえる)が蛇…

この昔話を聴く

現在886話掲載中!