民話の部屋 民話の部屋
  1. 民話の部屋
  2. 言葉の聞き違い・言葉遊びにまつわる昔話
  3. 福禄寿

※再生ボタンを押してから開始まで時間がかかる場合があります。

ふくろくじゅ
『福禄寿』

― 熊本県 ―
語り 井上 瑤
再話 木村 裕章

 昔、七福神(しちふくじん)さんの一人の福禄寿(ふくろくじゅ)さんが、一間四角(いっけんしかく)の小まか家を建(た)てて、昼寝(ひるね)をしとったが、頭が長かけん、頭半分が家から外さん出とった。


 ちょうどそのとき、下ん道ば商人(あきんど)が通って、
 「ほう、むごう太か南瓜(かぼちゃ)のある。一丁(いっちょう)買(こ)うて戻ろうばい。おーい、そこの南瓜は幾(いく)らかい?」
てたずねたら、福禄寿さんな、寝呆(ねぼ)けち、


福禄寿挿絵:福本隆男

 
「そこの坊主(ぼうず)は誰か?」
聞こえたけん、寝たまま、
 「フクロクジュ」
って答えらした。
 「なんてや?百六十てや、そら高か。も少し、まからんか?」
て商人がいうた。


 福禄寿さんな、
 「曲がらんか」
て聞こえたけん、
 「曲がらんけん出しとる」
ていわした。商人な、
 「まからんなら買わん」
ちうて、行ってしもうたげな。
 
 そればっかりのばくりゅうどん。

「福禄寿」のみんなの声

〜あなたの感想をお寄せください〜

楽しい

「ぼうず」に聞き間違えるのだから商人は、 「そこのぼうぶら、いくらかい?」と言ったのではないか? それなら違和感がない。( 30代 )

驚き

頭長すぎ!( 10歳未満 / 男性 )

楽しい

福禄寿の顔が長くて家の中におさまらないという発想の面白さ( 60代 / 男性 )

こんなおはなしも聴いてみませんか?

馬追鳥(うまおいどり)

昔、あるところに七つと十ばかりになる兄弟がおったそうな。母親が死んで、まもなく継母(ままはは)が来たと。継母は性(しょう)のきつい人で、二人を山へ芝刈りにやったり、畑へ肥(こ)え桶(おけ)を運ばせたり、谷川へ水を何度も汲(く)みに行かせたり、朝から晩まで働かせたと。

この昔話を聴く

犬猿の仲(けんえんのなか)

 むかし、あるところにお兄ちゃん犬と妹犬(いもうといぬ)があったって。  ある日のこと、二匹が連れだって歩いていたら、道端におむすびがふたつ落ちていた。

この昔話を聴く

蕨長者(わらびちょうじゃ)

 むがす、むがす、あっどごに貧乏だったげんども、正直で働き者の百姓がいたど。  八十八夜様が来っと、何がなくても餅を搗いて神さんさ上げて、豊作を祈願してたど。 ところが、ある年のこと、不作で飯の米にもこと欠くようで、八十八夜様がやって来ても、餅搗いて上げようもなかったんで、隣近所さご無心して、やっと餅を搗いて上げることができたど。

この昔話を聴く

現在884話掲載中!