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わすれてもうひとつ
『忘れてもう一つ』

― 岩手県 ―
語り 井上 瑤
再話 藤沢 美雄
整理 六渡 邦昭

 むかしむかし、
 あるところに爺(じい)さんと婆(ばあ)さんがいだど。
 爺さんは七十五、婆さんは七十で、どっちも、目もはっきりしていたし、歯も、漬物ぱりぱりと食っていで、まだまだ達者(たっしゃ)だったど。

 
忘れてもう一つ挿絵:福本隆男

 あるとき、村の長者どのが、爺さん聞いたど。
 「爺さん、達者でなによりだなっす。目と歯は大丈夫っすが」
 「はい、目も歯もこのとおり、まだまだ若者には負けねがんす。ただ、もの覚えの方が、少しうすくなりやんした」


 爺さん、シワだらけの顔をニコニコどさせで言ったど。したら長者どの、
 「ははぁ、もの覚えが悪くなったのすか。孫の名前でも、ちょっとド忘れすることがあるのすかぁ」
と聞いだ。
 
 そしたら、そばにいた婆さんが、
 「いやいや、そでねがんす。
  爺さんなっす、わしの布団(ふとん)から出はった思うと、今の今までやったこと忘れで、またのこのこ這入(はい)ってくるのでがんす。このごろめっきり忘れっぽくなりやんした」
といったど。
 どんとはらい。

「忘れてもう一つ」のみんなの声

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この話は子供に聞かせられんかも知れんが、人の本能に沿った話ではあるわな。良いと思うな僕

楽しい

2回戦突入、いいですねえ。何食ってんですかね?

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爺さん元気じゃんか。( 40代 / 女性 )

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驚き

子供に読み聞かせしてたら、結末がまさかの下ネタ(笑)( 40代 / 女性 )

楽しい

夜の話だったw( 40代 / 女性 )

楽しい

二人ともお達者すぎる!( 30代 / 男性 )

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