おかしな家族みたいだなー( 10歳未満 )
― 山形県 ―
語り 井上 瑤
再話 六渡 邦昭
六月は梅雨(つゆ)の季節だが、昔からあんまり長雨降ると嫌(きら)われるていうな。
昔、昔、あるところに親父(おやじ)と兄と弟があった。
兄と弟が、夜空を眺(なが)めていると、お星さまがいっぱい出ている。兄は弟に、
「あのお星さまな、あいつ、雨降(ふ)ってくる天の穴だ」
というたと。
そしたら弟は兄に、
「あの穴、何とかして塞(ふさ)ぐかすること出来んもんか」
というた。二人は相談(そうだん)したと。
「そうだな。よし、雨降る穴、叩(たた)きおとす。そしたら俺(お)らん家(ち)、雨漏(あまも)りの心配しなくて済(す)むべ」
と、いうことになった。
天は広いから、家のぐるりだけでも落としてしまうべというわけで、夜の夜中、二人は家の前庭で、長い竿(さお)持って、ふりまわしたと。
が、なかなか星は落ちてこん。
そこへ親父が来て、
「こりゃこりゃ、お前たち何しとる」
と聞いたら、二人は
「お星さま、叩いとる」
「雨の降る穴、塞ぐんじゃ」
というた。そしたら親父は、
「そんなら、そんなとこでは届(とど)かん。屋根の上さあがって叩け」
こう言うたと。
どんぴんからりん すっからりん。
おかしな家族みたいだなー( 10歳未満 )
むかし、新潟県の佐渡島では、ときどきとてもつもなく大っきな蛸が浜辺にあがってきては、馬にからみついたりして、悪さをしたそうな。あるとき、大佐渡の男が馬をひいて相川という賑やかな町まで買い物に出たと。
「雨の降る穴」のみんなの声
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