和尚さんの五厘がこすりあわって火が付くの、どういうお笑い?www( 20代 / 女性 )
― 和歌山県 ―
語り 井上 瑤
再話 六渡 邦昭
むかし、ある村に権兵衛さんという猟師がおったそうな。
権兵衛さんは、冬になったら山に入って、鴨取ったり、兎取ったりして、夏になったら川へ行ってウナギ釣ったりアユ取りしたりして、それを町へ売りに行って暮らしておったと。
ある年の冬、権兵衛さんは、鴨をいっぺんに沢山(たくさん)取る方法を思いついたと。
晩ご飯のおかずの魚を一切れ残しておいて、それを長いひもでくくって、鴨の来る山の池へ持って行ったと。
池の中へそれを浮かべておいたら、鴨がたくさん飛んで来て泳ぎはじめた。
権兵衛さん、しげみに隠れて
「はよ食え、はよ食え」
言うて、わくわくして待っとったら、なかの一羽がその魚を見つけて、ヒョイとのみこんだと。
「しめしめ、はよひれ、はよひれ」
言うて、見とったら、その鴨が食べた魚を尻からひり出したと。
「ほい、ねらったとうりになったわい」
言うて、なおも見とったら、次の鴨が来て、今前の鴨がひり出した魚をヒョイと呑んでプッとひった。三羽目の鴨が来て、また呑んでまたひった。四羽目の鴨も五羽目の鴨もそうやって、次から次へひっかかって、おおよそ二十羽もひもでつながったころ、
「よしよし、もうこんくらいでええやろ」
言うて、いきなりとび出して行って、そのひもをつかんだと。
そしたら、鴨がびっくりして、いっせいにワァッと飛んだと。
「こりゃ大変だ、逃がしてなるものか」
権兵衛さん、しっかりひもをつかんだもんだから、鴨が上へ舞いあがるのと一緒に、宙づりになって空へあがってしまった。
「大変じゃあ、大変じゃあ、助けてくれえ」
言いながら飛んで行って、高野山(こうやさん)の上にさしかかったと。
高野山には和尚さんたちがたくさんおって声を聞きつけて上を見たら、鴨と一緒に人が飛んどる。
「わあ、大変じゃ。人間がぶらさがっとる」
言うて、大騒ぎ。
権兵衛さんが、
「助けてくれえ」
言うたら、和尚さんたちが、
「よおっしゃ、助けてやるから待っとれよう」
言うて、布団を持って来た。大勢でぐるりを持って、
「ここへなあ、とびおりたらええんじゃあ」
言うから、権兵衛さん、鴨の首を一羽ずつしめたんだと。
そしたら、鴨たちの飛ぶ力がだんだん弱って、終(しま)いの鴨の首をしめた時に、ドタ―ンと下で待ち受けとる布団の真ん中に落っこちたと。
そのとたん、布団を持っとった和尚さんたちの頭が、わあっと、寄せ集まって、かち合うたと。
カチ―ンと音がして、火花が出たと。
その火で高野山が焼けたと。
おしまい チャン チャン。
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最後頭が当たって火が付いて燃えるのは予想外すぎて頭から火出た( 10代 / 男性 )
むかしむかしのおおむかし。あるところにひとりの継母がおって、いつも継子の娘をいじめてばかりいたそうな。ある日のこと、柿を十個、戸棚の中にしまっておいて用達に出かけたと。
昔、豊後(ぶんご)の国、今の大分県臼杵市(おおいたけんうすきし)野津町(のつまち)大字野津市(おおあざのついち)というところに、吉四六(きっちょむ)さんという頓智(とんち)にたけた面白い男がおった。
むかし、ある寺に和尚(おしょう)さんと小僧(こぞう)さんがおったと。 小僧さんはこんまいながらも、夏の暑いときも、冬の寒いときも、毎日、和尚さんより早起きをして寺の本堂と庭を掃除(そうじ)し、その上、食事の支度をしたり日々のこまごました用事までこなすので、和尚さんは大層(たいそう)喜んでおったそうな。
「鴨取り権兵衛」のみんなの声
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