鳥の鳴き声がどんな風に聞こえるか。人それぞれなんです。例えばカラス。カーカーカーと聞こえる人も居ればアホーアホーアホーと聞こえる人も居るし、カラカラカラと聞こえる人も居る。鶏もコケコッコー…って事になってるが、聞く人によっては違う鳴き声に聞こえる。誰が聞いてどんな風に聞こえたかによって出来上がる民話が違うんよな。
― 滋賀県 ―
語り 井上 瑤
再話 六渡 邦昭
むかし、むかし。
あるところにお寺があって、和尚さんが一人で住まっていたって。
この和尚さん、お寺の本堂を建てたいと思っていたけどお金が無かったって。
和尚さん、どうにかしてお金を集めたいと考えたけど、いい思案が浮かばなかった。
縁側(えんがわ)に座って思案していたら、そこへ、ほととぎすが飛んできた。目の前の木の枝に止まって、
〽 庖丁(ほうちょう)欠けたか、
ほうちょうかけたか
と啼(な)いた。和尚さん、
「ほととぎすめ、わしが刃の欠けた庖丁使うてるのを知ってるんじゃろか」
というてなげいていたが、そのうち、ハタと気がついた。
「そうじゃ、おおい、そこのほととぎすどんやぁ。お前(め)は朝早うから働いてるから、お金がよっぽど貯まっとるじゃろうなぁ。
わしゃ、本堂を建てたいと思うとるんじゃが、欠け庖丁を使うくらい貧乏(びんぼう)なのはお前も知っておろう。そこで相談じゃが、少し寄進(きしん)してくれんかのう」
和尚さん、こう呼びかけたら、ほととぎすは、
「調子いい」
と返事したと。
「そんなら、貸してくれんかのう」
というたら、
「ほんなら、六月まで貸してやろう」
というた。
和尚さん、ほととぎすからお金を借りて本堂を建てたと。
次の年の六月になった。けど、和尚さん相変わらず貧乏で、ほととぎすに返すお金が無いんだって。
ほととぎすが飛んできて、縁側の前の木の枝に止まって、和尚さんを呼んだけど、和尚さん、ほととぎすにあわす顔が無くて、外に出られん。それで、今でもほととぎすは、
〽 ホンドウタテタカー、本堂建てたかぁ
と啼いて、毎朝さいそくに来てるんだって。
そうらいごんぼ。
鳥の鳴き声がどんな風に聞こえるか。人それぞれなんです。例えばカラス。カーカーカーと聞こえる人も居ればアホーアホーアホーと聞こえる人も居るし、カラカラカラと聞こえる人も居る。鶏もコケコッコー…って事になってるが、聞く人によっては違う鳴き声に聞こえる。誰が聞いてどんな風に聞こえたかによって出来上がる民話が違うんよな。
昔、あったず。ある所ね、爺様と婆様あったず。その家の裏に大き木ぃあったず。あるとき、又八ず人ぁ来て、「家の裏にある、けやき売れ」たへで、婆様、「良え」て、売るごどねしたず。
むかし、あるところに仲のよい夫婦があったと。男は毎日ぼろの仕事着を着て行くので、もう少しこぎれいな着物を着て行けと、嬶が小ざっぱりしたよい着物をこさえてやったと。それを着て山へ行ったが、亭主はもったいないと思って、脱いで木の枝にひっかけた。
むかし、ある山家に年老いた飼犬がおったと。ある日、犬が家の前庭で寝そべっていると、家の者が、「おら家の犬も年をとって、ごくつぶしなったもんだ。皮でも剥いでやるか」と話しているのが聞こえた。
「金貸しほととぎす」のみんなの声
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