― 宮崎県 ―
語り 井上 瑤
再話 六渡 邦昭
むかし、あるところにバカ聟(むこ)どんがあった。
ある日、嫁(よめ)さんの実家(じっか)から、
「こんど、ふすまが貼(は)れたから見に来るように」
という報(しら)せが届(とど)いた。
それで、嫁さんがこっそり、ふすまの絵(え)を見に行ったと。
ふすまには梅(うめ)と鶯(うぐいす)の絵が画(か)いてあった。見届(みとど)けて戻(もど)った嫁さんは、バカ聟どんに、
「あんた、実家のふすまには梅と鶯の絵が画かれています。向(む)こうへ行ったらお父っつぁんは、必(かなら)ず『どう思うかね』と聞くにきまっています。そしたらあんたは、『りっぱに貼れましたなあ。こりゃ梅に鶯じゃが。いや、めでたい』と、こうお答(こた)えなされ」
と、教(おし)えたと。
バカ聟は嫁さんと一緒に嫁さんの実家を訪ねたと。
そしたら、嫁さんのお父っつぁんが、
「どう思うかね」
と聞いてきた。バカ聟は、
「りっぱに貼れましたなあ。こりゃ梅に鶯じゃが。いや、めでたい」
というた。
そしたら、嫁さんのお父っつぁんは、
「ほほう、まわりがバカじゃ、バカじゃいうが、何と何と、ちいっともバカじゃねえわい」
と、聟どんをえらく誉(ほ)めたと。
バカ聟どんは、嫁さんと一緒に沢山(たくさん)ごちそうになって帰ってきたと。
それから幾日(いくにち)が経(た)って、嫁さんの実家からまた報せが届いた。お父っつぁんの具合(ぐあい)が急(きゅう)に悪くなったそうな。
「そりゃ、見舞(みま)いに行かにゃあ」
ということになって、嫁さんとバカ聟どんはとるものもとりあえず、実家に行った。
あんまり、あわただしく出掛(でか)けたもので、こんどは、嫁さんもさぐりをする間が無かった。
実家に行ってみたら、親爺(おやじ)どんは、足をぶっとくはれらかして、うんうんうなっていた。
バカ聟どん、それを見て、
「いやあ、立派にはれましたなあ、こりゃ梅に鶯じゃが。いや、めでたい」
と、こういうたと。
親爺どんが、あきれて、
「やっぱりあいつはバカ聟じゃあ」
と、いうたと。熱がもっと出たと。
こりぎりの話。
民話の部屋ではみなさんのご感想をお待ちしております。
「感想を投稿する!」ボタンをクリックして
さっそく投稿してみましょう!
むかし、常陸(ひたち)の国、今の茨城県水海道(みつかいどう)のあたりで、何日も何日も雨が降り続いた年があったと。三月初めのころから降り始めて、四月になっても降(ふ)り止(や)まん。
むかし、あるところに、ひとりの爺(じ)さが居てあったと。爺さは、毎日山へ木をきりに行っていたと。ある日、爺さが山へ行ったら、ケン、ケーン、クーン、と苦しそうなキツネの鳴(な)き声が聴(き)こえてきた。
むかし、あるところに大分限者(ぶげんしゃ)があった。 大分限者には息子が一人あって、三国一景色のいい男であったと。年頃(ごろ)ともなると、あっちこっちから、どこそこの娘(むすめ)を嫁(よめ)に、という話が…
「バカ聟に梅と鶯」のみんなの声
〜あなたの感想をお寄せください〜