イソップ童話に同じ話があるそうなのですが、元々は岩手に伝わる話なのですか?( 40代 / 女性 )
― 岩手県 ―
語り 井上 瑤
再話 六渡 邦昭
むかしむかし、あるところにお婆さんがおったと。
お婆さんは、豆を煮ようと思って、空豆を水につけておいたと。柔らかくふくれたころ、鍋にザランとうつしたのだが、一粒だけコロコロこぼれて、庭の隅まで転がって行ったと。
お婆さんは、こんどは、たきつけのワラをとりに行った。すると風がフイと吹いて、一本のワラが飛んで、庭の隅の空豆のそばに落ちたと。
お婆さんは、それからかまどに火を燃やし、豆をコトコト煮ていると、真赤な炭がはねてさっきの豆のそばに飛んで行った。
そら豆と、炭と、ワラは、三人でお伊勢参りに出かけたと。
挿絵:福本隆男
いくがいくが行くうちに、小さい川にぶつかった。が橋が無い。困ったなあ、と考えていると、ワラが、
「うん、これがいい。わしが一番長いすけ橋になってやる。お前さんらが先に渡ってけや。それからわしを向こう岸へ引き寄せてけれ」
「せば、そうしてけれ」
いざ渡る段になると、空豆と炭が、
「わしが先」「おらが先」
と、けんかを始めた。空豆が負けて炭が勝ったと。
炭がブスブス言いながら、半分ばかり渡った頃、そら豆が「早よ渡れ!」と、けしかけたので、こんど炭はカンカンになっておこった。
たまらないのは、橋になっているワラだ。熱くて熱くてたまらない。アチチチ・・・と言いながら、とうとうワラは焼け切れてしまったと。
炭とワラは、ジュッと声をたてて流されて行く。
これを見た空豆は、おかしくてたまらない。
「さっきの罰だぁ」
と、大声で笑った。あんまり笑いすぎて、腹がパチンと裂けてしまったと。困って泣いていると、そこへ裁縫屋が通りかかった。
「空豆や、なんで泣いている」
と、尋ねたが口もきけない。
「こりゃ、かわいそうに」
と、黒糸で縫ってくれたそうな。
ほれ、空豆の腹のところが黒くなっているじゃろが、あれはその時のあとなんだと。
どんとはらい、ほうらの貝こぽうぽうと吹いた。
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楽しい!( 10代 / 女性 )
昔、ご飯をよそったときに、しゃくしでおひつのふちを絶対にたたくものではないと言われました。 それは行儀(ぎょうぎ)が悪いからというだけでなく、”くだしょう”がやってくるという大きな理由があったからです。
昔、あるところにひとりの婆(ばあ)さんがあった。婆さんは、お年貢(ねんぐ)の頃に上納(じょうのう)する米の計量(はかり)をちょろまかすのがうまくて、役人は困りはてていたと。
「豆と炭とワラ」のみんなの声
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