こんな屁をこいてみたい!( 10歳未満 / 男性 )
― 石川県 ―
語り 井上 瑤
再話 六渡 邦昭
むかしむかし、おじじとおばばが、自分の家の便所の屋根ふきしていたら、屋根ふきワラの中に、稲の穂(ほ)が一本まじってあったと。
それを見つけたおじじは、
「おばば、この稲の穂をこのままほうっておくのはもったいない。この穂を家へ持って帰って炒粉(いりこ)にしようかの」
というた。おばばは、
「はえ、はえ」
というて、その稲の穂一本を家へ持ち帰り、炒鍋(いりなべ)で炒(い)って、石臼(いしうす)で挽(ひ)いて炒粉を作ったと。
二人でその炒粉をなめていたら、おじじの腹がムズムズしてきた。そして、
〽 ぶいすここい ぶいすここい
じいじの宝のチーンチョチンチョ
という面白い屁が出たと。
「こりゃ面白い屁だ、も一ぺんこいてみよか」
というて、気張(きば)ったら、
〽 粟(あわ)がら稗(ひえ)がらスッポンポン
こごめのザラザラ ペンペンペン
と鳴った。おじじは、
「こりゃ変わった屁じゃ。おばばや、俺、この屁を町へ行って売って来るわい」
というて町へ売りに行ったと。
「屁やー、屁やー、屁売りのじいじが来たぞいやー」
というて歩くと、町の人が面白がって、
「ひとつ買いましょう」
というた。おじじは、
「こんな道端(みちばた)ではこかれん。座敷(ざしき)へ上がらにゃ」
というて、座敷へ上がって、坐(すわ)り直して気張ったと。そしたら、
〽 ぶいすここい ぶいすここい
じいじの宝のチーンチョチンチョ
と鳴った。
町の人が何人も集まって来て、手を叩いたと。
おじじも面白うなってきて、もうひとつこいた。
〽 粟がら稗がらスッポンポン
こごめのザクザク ペンペンペン
と鳴ったから、町の人達は、次々と銭(ぜに)を投げてくれた。
おじじ、ふところに一杯銭入れて、ほくほく顔で家へ戻ってきたと。
それきりぶっつりかんなます。
こんな屁をこいてみたい!( 10歳未満 / 男性 )
めっちゃたのしかったです。もういっかいききたいくらいすきでした。( 10歳未満 / 女性 )
とても面白かった( 10代 / 女性 )
1才の甥っ子に聞かせたら楽しそうに笑いました( 20代 / 女性 )
おならの音がおもしろかった!まいにちまねをして大わらいしています。( 10歳未満 / 女性 )
おならが喋り始めたみたいで面白かった
昔、あるところに、貧乏な爺さと婆さがおったと。年の暮れになれば、年とり米も年とり魚もかわねばならんので、爺さは毎年山へ行っては門松(かどまつ)を取って来て、それを町へ持って行って、売り歩いておったと。
昔、あったずもな。あるどこに川の渡守(わたしもり)居てあったど。その年、うんと雨降って、洪水出て大変であったど。洪水のあと、渡守り、流れてくる木を拾…
「屁売りじいさ」のみんなの声
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