おぶさりてぇ、がチコちゃんみたいな、かわいい声。なんで怖がったのかな。 民話の部屋が子どもたちのお気に入りです。これからもぜひ続けてください。( 40代 / 男性 )
― 青森県 ―
語り 井上 瑤
再話 大島 廣志
整理・加筆 六渡 邦昭
むかし、ある村に太郎と次郎と三郎という三人の兄弟がおった。
ある日のこと、兄の太郎が町へ買い物に行ったとき、帰りはもう夜になってしもうた。
太郎が森のところまでやって来ると、木の根に光る物がある。
何だろうと思うて近づくと、急にその光る物が、不気味(ぶきみ)な声で、
「おぶさりてぇーい。おぶさりてぇーい」
と言うた。
さあー、太郎はたまげた。
「ば、ば、化け物だー」
と叫(さけ)んで、あわてて家へ逃げ帰った。
太郎は、次郎と三郎に森の化け物のことを話して聞かせた。そうしたら次郎が、
「兄さんは臆病(おくびょう)だな。おらは化け物なんか怖くない。おぶさりたかったらおぶってくるわい」
と言うて、家を出て行った。そして森へ入ると、兄の太郎の言う通り、木の根にキラキラ光る物がある。
次郎が近づくと、光る物は、不気味な声で、
「おぶさりてぇーい。おぶさりてぇーい」
と言うた。次郎は怖わごわ、
「おぶさりたかったら、おぶされー」と言うと、光る物は次郎めがけて飛んで来た。
これには次郎も驚(おどろ)いて、
「ば、ば、ばけものじゃあ」
と叫んであわてて家へ逃げ帰った。
今度は末っ子の三郎が、
「では、おらが行ってくる」
と言うと、太い縄を手に持って、家を出て行った。そして、森へ行くとやはり木の根にキラキラ光る物があった。三郎が近づくと、光る物は不気味な声で、
「おぶさりてぇーい。おぶさりてぇーい」
と言うた。それで三郎が、
「おぶさりたかったら、おぶされー」
と大声で言うて背を向けたら、光る物が飛んで来て三郎の背におぶさって来た。ズシリと重い。三郎は光る物を縄で体にしばりつけ、
ヨイショ ヨイショ
と掛け声をかけながら、家に帰ってきた。
挿絵:福本隆男
「兄さんたちぃ。化け物をおぶってきたから、戸を開けてくろ」
と三郎が言うたが、太郎と次郎は家の中でガタガタふるえていて出て来ない。仕方なく三郎は自分で戸を開けて家に入った。
そして縄をほどき、光る物に、
「そら、おりろ」
と言うた。ところが光る物はいっこうにおりようとしない。それで、柱の角へゴツーンとぶつけたら
ジャラ ジャラ ジャラ
という音がして、何と、家いっぱいの大判小判になったんだと。
化け物の正体は大判小判だったと。
木の根っこに埋められていた大判小判が、世に出たくて、「おぶさりてぇーい」と叫んでは、肝(きも)の太い、勇気ある人間を探していたんだと。
とっちばれ。
おぶさりてぇ、がチコちゃんみたいな、かわいい声。なんで怖がったのかな。 民話の部屋が子どもたちのお気に入りです。これからもぜひ続けてください。( 40代 / 男性 )
ちょっと怖いけど声が面白いwwwww
おもしろかった。( 10歳未満 / 女性 )
声が強かった
昔、盛岡の木伏に美しい娘があったと。毎日家の前の北上川へ出て、勢よく伸びた柳の木の下で洗濯物をしていた。あるとき、その娘がいつものとうり洗濯に出たまま行方がわからなくなったと。
「おぶさりてぇい」のみんなの声
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