狼が可哀想だけど、狼が悪いことをしたから、自分に帰ってきた
― 秋田県南秋田郡 ―
語り 井上 瑤
再話 今村 泰子
むかし、あったと。
あるとき、狼、のどさ骨(ほね)ひっかげて苦しんでいたけど。
「ああ、せつねゃ。だれか、この骨抜いで呉(け)だら、うんと良(え)え物呉(け)るぞ。ああ、だれか頼(たの)む。」
て、狼、ウン、ウンうなって、しゃべったど。
それ見だ鶴(つる)、かわいそうだと思って、くちばしを狼ののどさ入れて、骨こ抜いでやったど。したけ、狼、ありがとうともしゃべねゃで、
挿絵:福本隆男
「やい鶴め、おれののどさくちばし入れたどき、パクリと食われなかったごと、ありがてく思え」
て、しゃべったど。
「なんとわがままで、恩知らずの狼だべ」
て、山のけだものたち皆そう言って、おこったと。
それがら、そのあと、狼が病気で苦しんだとき、誰も知らね顔(つら)して、助けなかった。
狼は死んでしまったと。
とっぴん ぱらりのぷう。
狼が可哀想だけど、狼が悪いことをしたから、自分に帰ってきた
あっという間にお話しが終わってしまった。もうひとひねりあると思ったのだけど。( 40代 / 女性 )
むがし、父(てで)と母(あば)と子供(こども)の三人居(い)てあったわけだ。 貧乏(びんぼう)で貧乏で、正月来たて食う物なも無(な)ぁふでナ、銭(じぇん)コはだけて、 「今夜年取りだんて、米コ買って来て、飯(まま)炊(た)いて食うど」 どで、その子さ、米買わせに行かせた訳(わけ)だ。
あるところに、三太いう気のいい男がおった。三太のかかは出べそだったんだが、三太のほかには、だぁれもしらん秘密だったと。ある夜のこと、三太のかかが風呂さ入っているとこを、キツネがこっそりのぞいて見てしまったんだと。
「狼の忘恩」のみんなの声
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