あっという間にお話しが終わってしまった。もうひとひねりあると思ったのだけど。( 40代 / 女性 )
― 秋田県南秋田郡 ―
語り 井上 瑤
再話 今村 泰子
むかし、あったと。
あるとき、狼、のどさ骨(ほね)ひっかげて苦しんでいたけど。
「ああ、せつねゃ。だれか、この骨抜いで呉(け)だら、うんと良(え)え物呉(け)るぞ。ああ、だれか頼(たの)む。」
て、狼、ウン、ウンうなって、しゃべったど。
それ見だ鶴(つる)、かわいそうだと思って、くちばしを狼ののどさ入れて、骨こ抜いでやったど。したけ、狼、ありがとうともしゃべねゃで、
挿絵:福本隆男
「やい鶴め、おれののどさくちばし入れたどき、パクリと食われなかったごと、ありがてく思え」
て、しゃべったど。
「なんとわがままで、恩知らずの狼だべ」
て、山のけだものたち皆そう言って、おこったと。
それがら、そのあと、狼が病気で苦しんだとき、誰も知らね顔(つら)して、助けなかった。
狼は死んでしまったと。
とっぴん ぱらりのぷう。
あっという間にお話しが終わってしまった。もうひとひねりあると思ったのだけど。( 40代 / 女性 )
むかし、ひとりの馬方(うまかた)が荷馬車をひいて、夕暮(ぐ)れ時の山道を村の方へ帰っていたと。 「いま時分は、ここいらへんは狸(たぬき)が化けて出るって聴(き)いとったんじゃが……」 と、用心しながら歩いていたら、案(あん)の定(じょう)、「もし、もし」と、優(やさ)しい声がかかった。
むかし、むかし、大むかし。お日さまとお月さまと雷さまが、三人そろって旅に出かけた。ところが、雷さまは生まれつき気があらいもんだから、行くところ行くと…
「狼の忘恩」のみんなの声
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