民話の部屋 民話の部屋
  1. 民話の部屋
  2. 動物の争いにまつわる昔話
  3. 狼の忘恩

※再生ボタンを押してから開始まで時間がかかる場合があります。

おおかみのぼうおん
『狼の忘恩』

― 秋田県南秋田郡 ―
語り 井上 瑤
再話 今村 泰子

 むかし、あったと。
 あるとき、狼、のどさ骨(ほね)ひっかげて苦しんでいたけど。
 「ああ、せつねゃ。だれか、この骨抜いで呉(け)だら、うんと良(え)え物呉(け)るぞ。ああ、だれか頼(たの)む。」
て、狼、ウン、ウンうなって、しゃべったど。
 それ見だ鶴(つる)、かわいそうだと思って、くちばしを狼ののどさ入れて、骨こ抜いでやったど。したけ、狼、ありがとうともしゃべねゃで、

狼の忘恩挿絵:福本隆男

 「やい鶴め、おれののどさくちばし入れたどき、パクリと食われなかったごと、ありがてく思え」
て、しゃべったど。
 「なんとわがままで、恩知らずの狼だべ」
て、山のけだものたち皆そう言って、おこったと。
 それがら、そのあと、狼が病気で苦しんだとき、誰も知らね顔(つら)して、助けなかった。
 狼は死んでしまったと。
 とっぴん ぱらりのぷう。

「狼の忘恩」のみんなの声

〜あなたの感想をお寄せください〜

驚き

あっという間にお話しが終わってしまった。もうひとひねりあると思ったのだけど。( 40代 / 女性 )

こんなおはなしも聴いてみませんか?

豆の粉(まめのこな)

昔々、あるところに、爺様(じさま)と婆様(ばさま)があったとさ。あるとき、爺様が庭の前を掃(は)いていると、豆コが一つ、隅(すみ)から、ころころころ…

この昔話を聴く

馬方と鬼婆(うまかたとおにばんば)

むかし、馬を引いて荷物を運ぶ、ひとりの馬方(うまかた)がおった。ある日、馬方は山を越えた村へ出かけて行った。塩と魚をたあんと馬に背おわせて、コットリコットリ、峠(とうげ)までくると日が暮れてしまった。するとうしろから・・・

この昔話を聴く

鳥の巣裁き(とりのすさばき)

 むかし、むかし、  長州と土佐と薩摩(さつま)の侍(さむらい)が一緒に道中(どうちゅう)していて、ひとつ宿(やど)に泊まったと。

この昔話を聴く

現在881話掲載中!