民話の部屋 民話の部屋
  1. 民話の部屋
  2. 妖怪と怪談にまつわる昔話
  3. 冬の夜ばなし「雪ばば」と「子とろ」

※再生ボタンを押してから開始まで時間がかかる場合があります。

ふゆのよばなし ゆきばば と ことろ
『冬の夜ばなし「雪ばば」と「子とろ」』

― 秋田県 ―
語り 井上 瑤
再話 (「雪ばば」)今村 泰子
再話 (「子とろ」)六渡 邦昭

 (『雪ばば』)
 昔、あったずもな。
 冬なってナ、雪コうんと降るどき、わらしコ達(だ)泣けば、雪ばばおりてくるど。
 してナ、
 「小豆(あずき)コ煮(に)えだが、煮えだかよ。庖丁(ほうぢよ)コ研(と)げだが、研げたかよ。」
 ってナ、まわって歩(あ)りって、泣いでるわらしコ達居(え)れば、連れで行がれるど。
 ンだがら、おみや達泣かれねっや。

 とっぴんぱらりのぷう。
 

 
冬の夜ばなし「雪ばば」と「子とろ」挿絵:福本隆男
 
 
 まだ語れってか。 ンだら、もひとつだけだゾ。
 あんまし語っと、天井からネズミに小便(しょんべん)ひっかけられっからナ。

 (『子とろ』)
 昔、あったずもな。
 夜 なってナ、雪コの降る音が聞こえるようなどき、いつまでも寝ねェでるわらしコ達いたら、山がら、子盗(こと)ろ、おりてくるど。
 してナ、
 「子とろ 子とろ 寝ね子は いねがあ 子とろ 子とろ 寝ね子は いねがあ」
 ってナ、まわって歩りって、寝ねェわらしコ達居れば、窓がら毛むくじゃらの腕ェ延びできで、つかめェられで、連れで行かれるど。
 

 ンだがら、おみや達、早よ寝ろじゃ。

 とっぴんぱらりのぷう。 

「冬の夜ばなし「雪ばば」と「子とろ」」のみんなの声

〜あなたの感想をお寄せください〜

一番に感想を投稿してみませんか?

民話の部屋ではみなさんのご感想をお待ちしております。

「感想を投稿する!」ボタンをクリックして

さっそく投稿してみましょう!

こんなおはなしも聴いてみませんか?

国主淵と龍(くにしふちとりゅう)

これは和歌山県の貴志川町(きしがわちょう)を流れる貴志川にまつわる話。むかし、長い日照り(ひでり)が続いたことがあったそうな。畑や田んぼがひび割れて…

この昔話を聴く

犬頭絲(けんとうし)

むかし、むかし、あるところに一人の娘が住んでおった。娘はお蚕(かいこ)さんを飼(か)って、糸を取って暮らしを立てていたと。ある年のこと。お蚕さんが思…

この昔話を聴く

銀杏狸(いちょうだぬき)

四国の伊予市から宇和島へぬける郡中街道に、昔から目印になっている銀杏の木がある。その木には、銀杏狸ちゅう一族が住んでいて、枝に化けるのを専門にしておった。

この昔話を聴く

現在886話掲載中!