夜の話だったw( 40代 / 女性 )
― 岩手県 ―
語り 井上 瑤
再話 藤沢 美雄
整理 六渡 邦昭
むかしむかし、
あるところに爺(じい)さんと婆(ばあ)さんがいだど。
爺さんは七十五、婆さんは七十で、どっちも、目もはっきりしていたし、歯も、漬物ぱりぱりと食っていで、まだまだ達者(たっしゃ)だったど。
挿絵:福本隆男
あるとき、村の長者どのが、爺さん聞いたど。
「爺さん、達者でなによりだなっす。目と歯は大丈夫っすが」
「はい、目も歯もこのとおり、まだまだ若者には負けねがんす。ただ、もの覚えの方が、少しうすくなりやんした」
爺さん、シワだらけの顔をニコニコどさせで言ったど。したら長者どの、
「ははぁ、もの覚えが悪くなったのすか。孫の名前でも、ちょっとド忘れすることがあるのすかぁ」
と聞いだ。
そしたら、そばにいた婆さんが、
「いやいや、そでねがんす。
爺さんなっす、わしの布団(ふとん)から出はった思うと、今の今までやったこと忘れで、またのこのこ這入(はい)ってくるのでがんす。このごろめっきり忘れっぽくなりやんした」
といったど。
どんとはらい。
挿絵:福本隆男
夜の話だったw( 40代 / 女性 )
二人ともお達者すぎる!( 30代 / 男性 )
昔、盛岡の木伏に美しい娘があったと。毎日家の前の北上川へ出て、勢よく伸びた柳の木の下で洗濯物をしていた。あるとき、その娘がいつものとうり洗濯に出たまま行方がわからなくなったと。
「忘れてもう一つ」のみんなの声
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