下ネタにも程があるでしょ。 ( 10代 / 男性 )
― 岩手県 ―
語り 井上 瑤
再話 藤沢 美雄
整理・加筆 六渡 邦昭
むかし、むかし、あるところにお爺(じい)さんとお婆(ばあ)さんと、息子夫婦(むすこふうふ)と孫(まご)達がいだど。
今日は、お爺さんが孫達と留守番(るすばん)をしていだど。
縁側(えんがわ)でひなたぼっこしながら、孫達にとりまかれて、お爺さんは昔話っこを聞かせていだど。
昔話っこもだんだん種っこ切れできだど。
孫達せがむし、あと、なにをしたらいいか、お爺さんもこまってしまっだど。
唄(うた)っこもしらねいし、踊りっこもしらねいし、考えに考えて、仕方(しかた)ねぐフンドシをはずしだど。そして、ぽろんと出しで、
「ほら、天狗(てんぐ)の面だ、天狗の面だ、ドドンスコドン。天狗の面だ、天狗の面だ、ドドンスコドン」
と、跳びまわっだど。
孫達、大喜びしだど。
挿絵:福本隆男
次の日は、お婆さんが孫達と留守番をしだど。
したっきゃ、孫達、
「婆さんも、天狗の面やって呉(け)ろ」
て、せがんだど。お婆さん、きょとんとしでいだど。
「天狗の面て、なんだ」
て、そのわけを聞いたお婆さんが、
「女のできないことを教えたりすて、爺さんもこまった人だ」
と、こぼしながら、仕方ねぐ腰巻っこの前を開いだど。そして、
「ほら、お獅子(しし)パクパク。お獅子パクパク」
と踊っだど。
孫達、手をたたいて喜んだと。
どんとはらい。
下ネタにも程があるでしょ。 ( 10代 / 男性 )
長崎では、七月の最後の日曜日、決まって港や深堀(ふかぼり)、三重(みえ)などの村々から、ペーロンのドラの音がひびいてきます。一隻(いっせき)の和船に、三、四十名の若者が、手に手にカイを持って乗り込み、勇(いさ)ましいドラの音にあわせて漕(こ)ぐのです。
「天狗とお獅子」のみんなの声
〜あなたの感想をお寄せください〜