違う そうじゃない 確かに似てないこともない、、、?( 10代 / 女性 )
― 群馬県 ―
語り 平辻 朝子
再話 大島 廣志
再々話 六渡 邦昭
むかし、あったとさ。
上州(じょうしゅう)、今の群馬県の白根山(しらねさん)に、それはそれはおっそろしい鬼(おに)が住んでおった。
その鬼は腹が空(す)くと山を下りて、さっと人間をさらってきては、ムシャムシャと喰(く)っていた。
山のふもとの村人たちは、いつ鬼に喰われるかと、びくびくしながら暮らしておった。
ある日のこと、村の一軒の家では、ととが、
「さぁて、今日は五月の節句だ。かか、かか、今朝(けさ)はトロロ汁のごっつぉにしょう。朝飯までに、長芋をすりおろしておいてくれ」
というと、畑へ草刈(くさか)りに出掛けて行った。
ちょうどそのころ、白根山の鬼が目を覚ました。
「あぁあ、腹がへった。どうれ、ひとつ、山を下りて人間でもさらってきて喰うか」
というて、のびをしながら、山の上からふもとの村を見渡した。
「おやぁ、ふもとの村は五月の節句だな。そうだ、人間も喰いあきてきたから、今日は節句のごちそうをいただくかな」
鬼は独り言をいうと、ノッシ、ノッシ山を下りていった。そしてさっき山の上からのぞいた家の裏へ廻(まわ)りこむと、壁(かべ)の穴から、そおっと覗(のぞ)いてみた。
家の中では、かかが、長芋をすりおろすところであった。かかは、
「節句だから、いっぺぇすって、ととを喜ばしてやんべ」
と、ゴリゴリ、ゴリゴリ、長芋をスリバチですりはじめた。
「あっ、あのかかは、鬼の角を持ってゴリゴリ、ゴリゴリ削ってる。ふうん、鬼の角が節句のごっつぉか、ちっとも知らんかった。よし、わしもやってみるか」
鬼は、さっそく山に戻って、自分の頭の角をボキッと折ると、スリバチを出して、ガキガキ、ガキガキ、すりはじめた。
ところが、鬼の角は堅(かた)くて堅くて、どうやってもすりおろせない。
「おかしいなぁ。あのかかは簡単に角をすっていたのに、わしのはいっくら力をいれても少しも削れん。よし、もう一篇(いっぺん)見てくるか」
鬼は山を下り、さっきの家の裏方(うらかた)へ廻り込むと、また、壁の穴から中をのぞいてみた。
家の中では、朝、畑へ草刈りに出ていたととが戻ってきていて、朝飯を食うところであった。
「かか、かか、トロロ汁は出来たか」
「とと、うんと作ったから、いっぺえ食べ」
とととかかは、あったかい飯(めし)にトロロ汁をかけると、ツルツル、ツルツル、食べ出した。ととは、
「やっぱり、トロロ汁はうんめぇなぁ」
といって、うまそうに食べたと。
それを見た鬼は、
「鬼の角を、あんなにうまそうに喰っている。こりゃあ、人間も油断(ゆだん)出来ねぇなぁ。こうしちゃおられん。こんなところにいたら、わしも喰われてしまう」
鬼は、あわてて逃げだし、どこか遠くへ行ってしまった。
それからというもの、白根山には鬼がいなくなって、ふもとの村の人々は安楽に暮らしたと。
五月の節句の頃に、長芋を食べるのは、鬼を追い払うためなんだとさ。
いちがさかえた。
違う そうじゃない 確かに似てないこともない、、、?( 10代 / 女性 )
鬼さん勘違いしてる! ( 10代 )
鬼馬鹿
鬼が山芋を鬼の角と勘違いしたのがおもしろかった!!!(.>v<.)/( 10代 / 女性 )
鬼の勘違いがおもしろかった。( 10代 / 女性 )
むかし、むかし、あるお寺に和尚さまと施物を司る納所坊主さんと小坊主との三人がいたと。ここの和尚さまは餅が大好きで他所から貰っていつも己ひとりで食べるのだと。
「鬼と山芋」のみんなの声
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