この話なにも感じない
― 山形県 ―
語り 井上 瑤
再話 武田 正
整理・加筆 六渡 邦昭
むかしむかし、あるどこさ、酒好きで酒好きで、毎日毎日、朝から呑(の)んでいる夫(とと)がいだんだけど。
田でも畑でも、
「あそこは何升(なんしょう)、あそこは何ぼかな」
て、みんな酒に見えるんだど。
米を買えば買ったで、これは何升になるなぁ、て、ドブロクを作ったときの量にしてしまう。
あるどき、隣村(となりむら)さ用達(ようた)しに行って、酒御馳走(ごちそう)なったげんど。
だげんど、ちょっど呑み足りなぐって、もっと呑ませろ、とも言えねべ。いそいで家さ帰ってきて、
「こりゃ、こりゃ、酒出せ」
て、言うた。
「うーう、酒ばり呑んでけずがる」
て、婆(ば)ンチャと嬶(かかあ)が目くばせしあっで、酒ではなぐ、米のとぎ汁、茶碗(ちゃわん)さ汲(く)んで渡(わた)した。
そしだら、ドクドク、ドクドクて呑んで、
「いま一杯」
て、言うた。
また、白いとぎ汁汲んでやっだら、ドクドク、ドクドクて、一息(ひといき)に呑んでしまっで、
「もう一杯」
て、言うた。
「こだえ呑みだいのだら仕方ない。嬶(かかあ)汲んできてやれ」
て、婆(ば)ンチャ言うので、嬶、こんだあ、ほんとのドブロク汲んできてやったら、夫(とと)、
「ああ、やっと酒の味してきた」
て言うたけど。
どんびんからりん、すっからりん。
挿絵:福本隆男
この話なにも感じない
夫に米のとぎ汁を飲ませる笑笑ヾ(≧∀≦*)ノ〃
夫さんが酒を飲みすぎていて楽しかった。 ( 10歳未満 )
むかし、あるところに貧乏(びんぼう)な爺(じ)さまと婆(ば)さまがおったと。 あるとき、二人が畑で働いていると、空にきれいな虹(にじ)が出た。 「婆さま、あれ見ろや、きれぇな虹だ」 「ほだな、きれぇな虹だなや」 爺さまは、ふと思い出して…
昔、あったそうじゃ。谷峠に人をとって食ってしまう、大変に恐い猫又が棲(す)んでいたと。強い侍(さむらい)が幾人(いくにん)も来て、弓矢を射かけるのだが、どれもチンチンはねて、当てることが出来なかった。
「酒呑み」のみんなの声
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