節分の豆まきで何で鬼は外、福は内と言われる掛け声で何でこんな掛け声なんだろうと思っていたらこんな話があったなんて知らなかったのもありビックリしました しかし読み終わるとなるほどそういうことだったのかということもわかり納得しました( 30代 / 女性 )
― 大阪府 ―
語り 井上 瑤
再話 六渡 邦昭
昔昔のあるとき、※和泉(いずみ)の国の岡田浦(おかだうら)で鯛(たい)とふぐが一緒に漁師(りょうし)の網(あみ)にかかって死んでしまったと。
鯛とふぐは連れだって西の方へ歩いて行った。三途(さんず)の川も渡って、なおも歩いて行くと、とう門に着いた。ここは閻魔大王(えんまだいおう)がおって、極楽へやるか、地獄へやるか、選(え)りわける所だと。
関所(せきしょ)のおしらすみたいなつくりになっていて、正面の一段高い所に閻魔大王がおって、その手前脇に、書記係りの鬼が何やら台帳(だいちょう)のようなのを開いて控(ひか)えている。
※和泉の国:現在の大阪府和泉市
向かって右に極楽の門扉(もんぴ)、左に地獄の門扉があり、どっちも門扉の前にも、こわそうな赤鬼が鉄棒(てつぼう)を持ってにらみをきかせている。
その他にもおしらすのなかじゅうに赤鬼やら青鬼やらが、うじゃうじゃいて、初めて行く者(もん)には心臓に良くないところだと。
鯛がおしらすへ呼ばれて行くと、書記係りの鬼が、
「お前はどこから来た」
というので、鯛は、
「和泉の国の岡田浦で網にかかった鯛です。どうか極楽へやって下さい」
というた。そしたら閻魔さんが、
「そうか鯛か。お前は目出度(めでた)い魚じゃ。婚礼やなんかのお祝いのときに使われて、人間を喜ばす魚じゃから、お前は極楽へ行かしてやる」
というて、極楽の門扉を開けさせ入れてくれたと。
次にふぐが呼ばれた。
「お前はどこから来た」
と問われたので、
「私も岡田浦で今の鯛どんと一緒に網にかかったふぐです。どうか鯛どんと一緒に私も極楽へ行かせて下さい」
というた。そしたら閻魔さんが、
「いやいや、お前は毒を持って人間を苦しめた者じゃ。極楽へはやらぬ、地獄へ行け」
というた。
地獄の門扉が開いて、赤鬼がふぐを連れに来た。ふぐが極楽の門の方を見ると、鯛どんが扉を少し開けてこっちを見ていた。ふぐは、素早く動いて、その隙間から極楽の門扉の中へ入ってしまった。
そうして、「ふぐは内、鬼は外」というて、豆をまいたと。
それから節分にはこういって豆をまくようになったんだと。
節分の豆まきで何で鬼は外、福は内と言われる掛け声で何でこんな掛け声なんだろうと思っていたらこんな話があったなんて知らなかったのもありビックリしました しかし読み終わるとなるほどそういうことだったのかということもわかり納得しました( 30代 / 女性 )
フジパンさん時代からこのお話が大好きで、こちらでまた聴けて読めて嬉しいです!かつて添えられていた挿絵も好きでしたがなくなってしまったのかな、少し淋しい。ですが、ツッコミ所満載のシレっとした二匹にはまた笑わせられてしまい幸せです(^o^)継続に掲載に感謝!ありがとうございます!!( 50代 / 女性 )
ある夏の夜のこと、十人近い子どもたちが肝だめしをやろうと大きなお寺の前に集った。 「なんだかお化けが出そうだなぁー」 「平気、平気、お化けなんか出るわけないよ」 「でも、やっぱり、こわいなぁー」子どもたちは、わいわいがやがやさわいでいた。
むがし、むがし。秋田ど山形の間ば状箱担いで走る飛脚いだった。ほの飛脚だば、秋田の殿様の書状ば持って走って山形さ行き、山形の殿様の返事ばもらって、走って秋田さ戻る。朝が秋田で昼が山形、夕方にはまた秋田ていうよだな。一日で往復してしまうけど。
私の父は、怪(あや)しいものをてんで信じない人でした。 昔、まだ道路がついていなかった頃(ころ)、高知に用のある人は、みんな相川(あいかわ)の山を越(こ)え、土佐山(とさやま)を抜(ぬ)けて行かなければならなかったといいます。
「鯛とふぐと節分」のみんなの声
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