民話の部屋 民話の部屋
  1. 民話の部屋
  2. 草木の話・動物の由来にまつわる昔話
  3. 猪と亀

※再生ボタンを押してから開始まで時間がかかる場合があります。

いのししとかめ
『猪と亀』

― 長野県 ―
語り 井上 瑤
再話 六渡 邦昭

 むかし、むかしの大昔。大ぜいの獣(けだもの)が集まって力競べをしたことがあったと。
 その頃は、猪はまだ首が長かったし、亀は手足が長かったと。
 組合わせでその猪と亀とが力競べをすることになったと。
 猪と亀の取っ組みあいが始まった。
 猪は亀をひっくり返えそうとするし、亀は猪を持ち上(あ)げようとする。相方(そうほう)、真向勝負(まっこうしょうぶ)の力(ちから)ずもうになったと。
 そしたら、あっちから「猪、負けるなあ」、こっちから「亀、頑張れぇ」って声がかかり、それはそれは大騒ぎだ。いい勝負だと。 

 
 が、そのうちに亀、甲らが重くて、だんだん動きがにぶくなった。それを猪の牙にひっかけられて、とうとう、亀、投げ飛ばされたと。
 ドシーンと地べたに落ちたとき、亀は、甲らの重さで手足がめり込んだと。
 亀はしばらく医者の世話になった。治ったときには手足が太く短かくなっていて、這いつくばって歩くようになったと。
 それ以来、亀はあんな格好になってしまったと。

 
 一方、勝った猪は大威張りだ。
 「俺は力競べにもつよいがかけっこも速いぞ」
というて、これ見よがしに、えらい勢いでかけて行った。


 そしたら、道の曲がり角で曲がりそこねて、正面にあった大岩に頭から突っ込んでしまった。ドシーンとぶつかったとき重さで首がめり込んだと。
 猪はしばらく医者の世話になった。治ったときには首が太く短くなっていて、ペチャ鼻で歩くようになったと。
 それ以来、猪はあんな格好(かっこう)になってしまったと。

 それっきり。

「猪と亀」のみんなの声

〜あなたの感想をお寄せください〜

楽しい

こういう話好きだな~☺️( 10代 / 女性 )

楽しい

まじで面白い( 20代 / 男性 )

こんなおはなしも聴いてみませんか?

瓜子ノ姫子(うりこのひめこ)

むかし、あるところに爺様(じさま)と婆様(ばさま)とがあった。子供がないので、欲しい欲しいと思って神様に願(がん)かけしたと。ある朝、瓜畑(うりばた…

この昔話を聴く

山男(やまおとこ)

 むがすあったど。  岩手県遠野市(とおのし)の青笹(あおざさ)の前河原(まえかわら)どいうどごろに、とっても力持ちで相撲(すもう)の好きな男がいだったど。

この昔話を聴く

たこの上方詣で(たこのかみがたもうで)

むかし、佐渡が島に艪かい舟が通っていたころの話。舟の乗客たちが、上方詣での出来事を楽しそうに話しておったと。そしたら、舟の間近に大っきなタコが潜んどって、「ああ、おらもたった一遍でいいから、人間のように上方詣でというものをしてみたい」とつぶやいたと。

この昔話を聴く

現在883話掲載中!