このお話は以前から我が家で冗談に使われていましたが、 地元神奈川県の話と知って驚きました。( 50代 / 男性 )
― 神奈川県 ―
語り 井上 瑤
再話 大島 廣志
再々話 六渡 邦昭
むかし、ある村に、ちょっぴり頭の弱いムコさんがおった。
あるとき、ムコさんは、山一つ越したヨメさんの実家へ、ごちそうによばれて行った。
ヨメさんの親は、よろこんでよろこんで、ヤレ食え、ソレ食え、とダンゴをたあ―んとごちそうしてくれた。
ムコさんは、出されたものがあんまりうまいので、ムシャムシャ食いながら、
「こんなうまいもんは、はじめてだ。これはなんというものだ」
とたずねた。すると、ヨメさんの親は、
「これは、ダンゴというもんだ。お前さんとこにヨメに行った娘は、ダンゴ作りが上手だから、帰ったら作ってもらいなされ」
というた。
それを聞いたムコさんはうれしくてたまらん。忘れちゃならんと思うて、ヨメさんの実家にいる間じゅう
「ダンゴ、ダンゴ、ダンゴ、ダンゴ」
と大声で言うていた。帰り道も忘れんように
「ダンゴ、ダンゴ、ダンゴ、ダンゴ」
と言いながらあるいていた。
そうしたら、小川があったので
「ドッコイショ」
とかけ声をかけて小川を飛びこした。すると今度は、
「ドッコイショ、ドッコイショ、ドッコイショ、ドッコイショ」
と言いながら家に帰って行った。
やっと自分の家に着いたムコさんは、いきなりヨメさんに
「お前の実家でドッコイショという、うまいもんをごちそうになった。すぐにドッコイショを作ってくれ」
と言うた。ところが、ヨメさんはなにがなんだかさっぱりわからん。
「ドッコイショってなんだ」
と聞き返すと、
「お前の親が、お前はドッコイショの作り方が上手だと言うていたのだから、知らんはずはない」
「そんなこと言うても、ドッコイショなんて知らん」
二人で言い争いをしているうちに、ムコさんはとうとうおこってしまい
「これほど言うても分からんか」
と言うと、ヨメさんの頭を思いきりぶんなぐった。たちまち大きなコブが出来た。
「あいたたたぁ、頭にダンゴのようなコブができた」
ヨメさんが言うと、ムコさんは、ハッと気がついて、
「おお、そうだ、そのダンゴのことよ」
こう言うたんだと。
いきがさけた
このお話は以前から我が家で冗談に使われていましたが、 地元神奈川県の話と知って驚きました。( 50代 / 男性 )
川がなかったらドッコイショに変わっていなくて、お嫁さんにだんごのようなコブができなかったのに。お嫁さんかわいそうww( 10歳未満 / 女性 )
おいしい おいしいと言いながら食べてくれたら、気持ちいいでしょうね。頭の弱いムコさんという設定ですが、さっそく作ってくれと言うところとか、素直なムコさんで、久しぶりにほっこりしました。( 40代 / 女性 )
ヨメさん,大丈夫。( 10歳未満 / 女性 )
いくらいらついても、たたかなくても・・・( 10歳未満 / 女性 )
だんごを、どっこいしょと間違えたむこさん、ちょっとおドジだと思った。( 10歳未満 / 女性 )
だんごがいつの間にかどっこいしょになる話がまさか地元神奈川の話だとは思いませんでした。神奈川出身ではない父がよく話聞かせてくれた物語でした。( 男性 )
昔あるところにお寺があって、和尚さんが一人おったと。 あるとき和尚さんは、法事に呼ばれて、一軒の貧しい檀家に行ったと。 お経を読んで法事が終わったら、その家のおっ母さんが、 「私ン家はこのとうりの貧乏家ですから、何のおもてなしは出来ませんが、せめて思うて、お風呂の用意をいたしましたから、どうぞお入りになって温もうて下さい」 というたと。
「ダンゴドッコイショ」のみんなの声
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