― 鹿児島県 ―
語り 井上 瑤
再話 田畑 英勝
整理 六渡 邦昭
昔、※大島にお茶というものの伝わった初味見の話。
大島のある村に、お茶というものが来た、というて、村中の老人、青年、女、子供、みんな浜に出て、味見をすることになったと。
大きな釜(かま)を浜に据(す)え、お茶を煮て、てんでにお椀を持って集まったところで、村の年寄りの一人が立ちあがっていうた。
※大島…現在の鹿児島県大島郡
「若い者は、これから先の世が長いし、今後いくらでもお茶というものを食べる機会もあるが、われわれ年寄りなどは先の世が短いので、これから先、お茶を食べることが出来るかどうかもわからない。
だから、このたびは年寄りにはうんと葉を入れて、若い人たちは汁を飲んでくれ」
と、いうたと。
それで、若い人たちは汁を飲み、年寄りたちは茶の葉を食べたそうな。
おかしやな。
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むかしがひとつあったとさ。 あるところに、貧乏(びんぼう)じゃったが、それは仲のよい爺(じ)さまと婆(ば)さまが暮(く)らしておった。 年越(としこし)の日がきても何一つ食べるものがない。
むかし、むかし、日向の国、今の宮崎県日南市飫肥の報恩寺というお寺に、“とくぞす”という知恵者の小僧どんがおったっと。 ある日のこと、寺の和尚さんから、 「よい、とくぞす、お前すまんが、清武の庄屋どんかたまで使いに行ってくれ」 と、頼まれた。
「茶のはじまり」のみんなの声
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