― 秋田県 ―
語り 井上 瑤
再話 (「雪ばば」)今村 泰子
再話 (「子とろ」)六渡 邦昭
(『雪ばば』)
昔、あったずもな。
冬なってナ、雪コうんと降るどき、わらしコ達(だ)泣けば、雪ばばおりてくるど。
してナ、
「小豆(あずき)コ煮(に)えだが、煮えだかよ。庖丁(ほうぢよ)コ研(と)げだが、研げたかよ。」
ってナ、まわって歩(あ)りって、泣いでるわらしコ達居(え)れば、連れで行がれるど。
ンだがら、おみや達泣かれねっや。
とっぴんぱらりのぷう。
挿絵:福本隆男
まだ語れってか。 ンだら、もひとつだけだゾ。
あんまし語っと、天井からネズミに小便(しょんべん)ひっかけられっからナ。
(『子とろ』)
昔、あったずもな。
夜 なってナ、雪コの降る音が聞こえるようなどき、いつまでも寝ねェでるわらしコ達いたら、山がら、子盗(こと)ろ、おりてくるど。
してナ、
「子とろ 子とろ 寝ね子は いねがあ 子とろ 子とろ 寝ね子は いねがあ」
ってナ、まわって歩りって、寝ねェわらしコ達居れば、窓がら毛むくじゃらの腕ェ延びできで、つかめェられで、連れで行かれるど。
ンだがら、おみや達、早よ寝ろじゃ。
とっぴんぱらりのぷう。
民話の部屋ではみなさんのご感想をお待ちしております。
「感想を投稿する!」ボタンをクリックして
さっそく投稿してみましょう!
むかし、むかし。あるところに大きな松の木があって、その木に天狗(てんぐ)さまがいたと。ある日のこと、村のひとりの子供が松の木の下で、「天狗さまござる…
昔、駿河(するが)の国、今の静岡県の安倍というところに、亭主(ていしゅ)に死なれた母親と二才の赤ん坊がおったそうな。母親は、毎日赤ん坊をおぶってはよそのお茶摘みを手伝って、やっと暮らしておったと。
「冬の夜ばなし「雪ばば」と「子とろ」」のみんなの声
〜あなたの感想をお寄せください〜