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ちゅうがっこうのななふしぎ
『中学校の七不思議』

― 全国 ―
語り 井上 瑤
再話 大島 廣志
整理・加筆 六渡 邦昭

 私が通っていた中学校には、誰もが知っている、こわーい「七不思議」というのがありました。

 一つ目。
 校舎の北側にある便所入り口から四番目のトイレの戸があきません。
 昔、そのトイレの中で、仲間はずれにされた生徒が首つり自殺をしたので、釘で打ちつけてしまったそうです。
 

 
 二つ目。
 学校の三階から四階に行く階段(かいだん)は十二段しかないのに、夜になると、階段が一段増えて十三段になるといわれています。忘れ物をした生徒が、夜、この階段をあがると一段多い気がする。不思議(ふしぎ)に思って数え直してみたら、やはり十三段あったそうです。
 

 
 三つ目。
 以前、交通事故で死んだ生徒がいました。両親は子供の供養(くよう)のために、学校へ一枚の大きな鏡を寄付(きふ)しました。その鏡は一階から二階へ行く階段の踊り場(おどりば)にありますが、鏡に自分の顔を映し、四分間じっとながめていると、死んだ生徒の顔が浮かんでくると言われています。
 
中学校の七不思議挿絵:福本隆男

 
 四つ目。
 美術室の壁(かべ)に掛かっている絵のモナリザの目から、涙がポタポタ出てきます。大勢(おおぜい)で行くと泣きません。一人で静かにモナリザを見ているときしか泣かないのです。
 

 
 五つ目。
 夜、警備員(けいびいん)さんが校舎を見廻(みまわ)っているときのことです。理科準備室の前を通ると、きまってガシャ、ガシャ、ガシャ、ガシャと音がするそうです。
 準備室に置いてある模型(もけい)のガイコツが部屋の中を歩き廻るのだそうです。
 
中学校の七不思議挿絵:福本隆男

 
 六つ目。
 これも警備員さんの話です。
 警備員さんが夜中に見廻りのため、校舎内を巡回(じゅんかい)していると、音楽室からピアノの音がかすかに聞こえてくるそうです。
 それは昔、この中学校に若くて美しい音楽の先生がいました。その先生はピアノが大好きで、毎日、放課後になると、音楽室でピアノを弾(ひ)いていました。


 ある日のこと、夢中でピアノを弾(ひ)いていて、時間のたつのを忘れてしまったのです。ハッと気がついて時計を見ると、真夜中の十二時になっていました。
 「あら、いけない、こんな時間になってしまったわ」
 でも先生はその日とても上手にピアノを弾けたので嬉しかったのでしょう。
 「もう一度弾いてから帰りましょう」
といって、またピアノに向かいました。弾き終えて満足して帰ろうとしたとき、楽器を盗(ぬす)みにきた泥棒(どろぼう)と鉢合わせてしてしまったのです。先生は泥棒に殺されてしまいました。
 それ以来、先生が最後に弾いたピアノの曲が、真夜中になると、無人の音楽室から聞こえてくるようになったと言われています。

 
 七つ目。
 七不思議の話を全部聞くと、七日目に死ぬと言われています。
 だから、七番目の話はしません。
 何でこの中学校に不思議なことが起こるのかというと、この学校は、昔のお寺の墓地の跡にたっているからだといわれています。
 
 了。

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