民話の部屋 民話の部屋
  1. 民話の部屋
  2. 妖怪と怪談にまつわる昔話
  3. 百物語

※再生ボタンを押してから開始まで時間がかかる場合があります。

ひゃくものがたり
『百物語』

― 新潟県 ―
語り 井上 瑤
再話 六渡 邦昭

 昔、あったてんがな。
 若(わか)い者(もん)がお寺に集まって、百物語(ひゃくものがたり)をしたと。
 ローソク百本つけて、昔話を百話語り合う。一話(いちわ)語(かた)りおえると一本ローソクの火を消して行き、百話語りおえると、まっ暗になるという寸法(すんぽう)だ。
 語って、語って、ちょうど百話おわったと。ローソクの火、フッと消したら、突然、ガタンと天井板がはずれ、ドタンと落ちてきたものがある。
 ギャーッと叫んで皆々逃げた。逃げたけれども、誰(だれ)も何(なに)されたわけでもない。怖(こ)わ怖(ご)わ何が落ちてきたのか、のぞいてみた。本堂のまんなかに、でっかい櫃(ひつ)が落ちてきていて、その中にボタモチがいっぱい入っていた。

 若い者たちは、これはありがたいと言うて、そのボタモチを皆ですっかり食べたと。
 次の晩、若い者たちは、またボタモチ食(く)いたいとて、お寺に集まって、百物語したと。


 昔話を語り、九十九話になり、百話おわったと。ローソクの火がフッと消されたそのとき、天井板がガタンとはずれて、ドタンと落ちてきたものがある。
 今度は若い者たちは逃げなかった。誰かが、ボタモチと一緒にお茶もくればいいな、というた。 

 が、どうも昨日と様子がちがう。ローソクに火を点(とも)した。そしたら、落ちてきたのは、櫃に入ったボタモチではなく、真白(まっしろ)いヒゲの爺(じ)さまが、片手にそろばん、片手に大福帳(だいふくちょう)を持って立っておったと。

 ほうして、帳面を見て、そろばんをパチパチしてから、
 「お前たちは、ゆんべ櫃に入ったボタモチを食うた。今日はその勘定(かんじょう)をしてくれえ」
というたと。
 百物語をすると、化物が出る。

 いきがぽおんとさけた。鍋(なべ)の下ガリガリ。

「百物語」のみんなの声

〜あなたの感想をお寄せください〜

驚き

こわくなかった。( 10歳未満 / 男性 )

楽しい

コワイ話しじゃなくてよかったー。( 10代 / 女性 )

楽しい

良い意味で裏切られました!( 50代 / 男性 )

もっと表示する
楽しい

オチがおもしろかった( 10代 )

こんなおはなしも聴いてみませんか?

延命地蔵様と雪女(えんめいじぞうさまとゆきおんな)

昔、あったど。あるところに雪女がいであったど。  雪女ァ、旅の人ばだまして、殺していだだど。  ある冬の日。  ひとりの男が旅をしていて、沼のあたりまで来たけァ、日が暮(く)れてしまったと。

この昔話を聴く

狼と飛脚と泣く子(おおかみとひきゃくとなくこ)

むかし、むかしあったんだって。ある山の中に一匹の狼(おおかみ)がいたんだって。ちょうど今日みたいな寒い夜にね、狼は腹を空(す)かして、

この昔話を聴く

エビの腰が曲がった訳(えびのこしがまがったわけ)

むかし、むかし。あるところに大きな鳥があって、「我(われ)こそが世界で一番大きい」と、自慢(じまん)しておった。ある日、この大鳥は、「おれさまほどの…

この昔話を聴く

現在885話掲載中!