亀がヒビができたのがこんな理由で悲しいです
― 埼玉県 ―
語り 井上 瑤
再話 六渡 邦昭
昔々の大昔。
あるところに鶴と亀とがあったと。鶴は大層(たいそう)べっぴんさんで、亀はドッシリとしていたと。
あるとき、鶴と亀とが出会ったら、鶴は亀をとても頼(たの)もしそうに思えたと。それで鶴が、
「亀さん、亀さん、私の聟(むこ)さんになってちょうだい」
と言ったら、亀が、
「おれぁ、嫌だな」
と言うたと。
「なしてぇ。足が長いからぁ」
「いいや、足が長いのはいいけれど」
「それじゃぁ、首が長いからぁ」
「いいや、首が長いのもいいけれど」
「そんじゃ嘴(くちばし)が長いからぁ」
「いいや、嘴が長いのもいいけれど」
「それじゃなして私の聟さんになるのが嫌なのぉ」
「足が長いのも、首が長いのも、嘴が長いのも、なにもかもべっぴんだと思う。思うけど……」
「けどなに」
「うん」
「なによ、はっきり言って」
「わかった。あのな、おれたち亀は万年生きるもんだ。あんたたち鶴は千年生きるもんだ。あんたが千年で死んだら、残り九千年もおれはヤモメ暮らしだ。これはつらいぞぉ。だから、いっくらあんたがべっぴんさんでも、あんたの聟どんには、ようなれん」
「そりゃぁ、まあ、そうだわね。そんなら、友達になってくれる」
「それなら、願ったり叶ったりだな」
と、話し合って、鶴と亀は友達になったと。
鶴と亀はどこへ行くにも一緒だと。あんまり仲が好(い)いもので、あやかりたい、あやかりたい言うて、あちこちの祝(いわ)い事に呼ばれるようになったと。
鶴は千年、亀は万年といって、今でもめでたい、あやかりたいと言うているが、大昔、鶴と亀にはこんなことがあったんだそうな。
おしまいチャンチャン。
亀がヒビができたのがこんな理由で悲しいです
昔、関西弁で、鶴はくちばしがあるので、お酒は飲めません年と、いい、亀は豆が、固くて?かめまんねん、せんねんとまんねんをかけた、笑い話がありましたが、しってるひとがおられたら、教えてください。( 70代 / 女性 )
むかし、吉四六さんが裏の柿の下で薪割りをするためにマサカリを振り上げたら、枝の熟柿が頭に落ちてきたと。てっきりまさかりの刃が抜けて頭に落ちてきたと思うたもんじゃき、「うわぁ、大変じゃ。誰か来ちくりィ。ああ痛え、早う医者を呼んでくりい」と、大騒ぎだと。
むかし、新潟県の佐渡島では、ときどきとてもつもなく大っきな蛸が浜辺にあがってきては、馬にからみついたりして、悪さをしたそうな。あるとき、大佐渡の男が馬をひいて相川という賑やかな町まで買い物に出たと。
むがし、父(てで)と母(あば)と子供(こども)の三人居(い)てあったわけだ。 貧乏(びんぼう)で貧乏で、正月来たて食う物なも無(な)ぁふでナ、銭(じぇん)コはだけて、 「今夜年取りだんて、米コ買って来て、飯(まま)炊(た)いて食うど」 どで、その子さ、米買わせに行かせた訳(わけ)だ。
「鶴と亀」のみんなの声
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