すごく楽しい、面白かった!( 10歳未満 / 女性 )
― 新潟県 ―
語り 井上 瑤
再話 大島 廣志
あったてんがの。
あるところに、三太(さんた)いう気のいい男がおった。三太のかかは出べそだったんだが、三太のほかには、だぁれもしらん秘密だったと。
ある夜のこと、三太のかかが風呂さ入っているとこを、キツネがこっそりのぞいて見てしまったんだと。
「こらぁ、いいもん見つけた」
キツネは次の日、仲間二匹と一緒に、えらそうな役人に化けて、三太の家へやって来たんだと。
「おい、三太。お前のかかは出べそだな。ちゃぁんとわかっておる。お殿様が出べそをほしいと言うておるから、すぐに、かかの出べそをよこせ」
三太はびっくらして、
「勘弁(かんべん)してくんろ、勘弁してくんろ」
とあやまったが、役人は許してくれん。それどころか、
「わしたちは、小豆(あずき)めしと油あげ汁がいっち好きだ」
と言い出した。
三太は急いで小豆めしと油あげ汁を作ると、役人に食わせ、酒もたんと飲ませたんだと。
役人たちは酔(よ)っぱらって、
「三太、三太、三日たったらまたくるから、それまでにかかの出べそを用意しておけ」
と言うと、ふらふらしながら帰っていったと。
次の日のこと。
となりのとっつぁが山で仕事をしていると、向こうの木のかげから、どんちゃんさわぎの唄(うた)がきこえて来た。
〽 三太のかかの 腹出べそ
おらがためには 福出べそ
小豆めし食って 油あげ汁飲んで
コーン、コン。コーン、コン。
はて、だれが、と思って行ってのぞいてみると、何とキツネが三匹、唄って踊(おど)って騒(さわ)いでいる。
となりのとっつぁ、こりゃおかしいなと思うて、急いで三太の家にやって来た。
「おい、三太。今、山で三匹のキツネが、
〽 三太のかかの 腹出べそ
おらがためには 福出べそ
小豆めし食って 油あげ汁飲んで
コーン、コン。コーン、コン。
と言うて、踊っていたけど、何かあったか」
「じつは、とっつぁま、おれのかかは出べそなんだが、昨日お役人様が来て、その出べそをよこせ、つうんだ」
「それはお役人様でねぇ。山のキツネだ」
三太はおこっておこって、キツネの役人が来るのをいまかいまかとまっておったんだと。
三日目に、役人が三人、また三太の家にやって来た。
「これ、三太。かかの出べそは用意できたか」
「はい、お役人さま。用意してござります。ちょっくらお待ち下され」
三太はそう言うと裏から飛び出し、借りてきた大きな犬をさっと放した。
さぁ、役人はびっくり。一番きらいな犬に尻をかまれるは、乗りかかられるは、ギャーギャーわめいているうちに正体をあらわし、キツネになって、山へ逃げ帰って行ったんだと。
いっちごさっけ 鍋の下ガリガリ。
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じつは僕の妻も出ベソなんです。昔話にも同じような人がいて安心しました。( 男性 )
きつね、頭よすぎ‼︎‼︎‼︎ ( 10歳未満 / 男性 )
むかし、むかし、あるところに歌の三郎と笛の三郎という若者が隣合って住んでいた。歌の三郎は歌が上手で、笛の三郎は横笛が上手だった。二人は、もっと広い世界で芸を試してみたくなった。歌試し、笛試しの旅へ連れだって出かけたと。
「三太のかかの出べそ」のみんなの声
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