姉がこっそり穴をあけたり小石を入れたりした時によく鬼に見つからなかったなとなとなと思いましたそしてどうして鬼は姉をさらって行った行ったのかなと思いましたまた読みたいです!( 10歳未満 / 女性 )
― 岩手県 ―
語り 平辻 朝子
再話 六渡 邦昭
むかし、むかし。
あるところに、鬼が棲(す)んでいる山があった。
そのふもとの村には仲の良い姉と弟が暮らしてあったと。
あるとき、山の鬼が村におりてきて、姉をさらって行ったそうな。
弟はくやしくてならん。
「おら、姉ちゃんを救(たす)けに行く」
というて、出掛けようとした。すると、村の人達は、
「山へ行っちゃなんねぇ。お前も鬼に喰われるぞ」
というて、何としても行かせてくれなかった。
弟は、姉がせつなくしているかと思うと、いてもたってもおられない。とうとう、村人の目を盗んで、鬼の棲(す)む山へ、たったひとりで行ったと。
いくがいくがいって、険(けわ)しい山の、奥の奥山に、大きな館があった。岩陰(いわかげ)に隠(かく)れて様子をうかがっていると、どうも鬼のいる気配がない。鬼はどこかへ出掛けているようだ。
弟は門のところで、
「ねえちゃん、ねえちゃんいるか」
と呼んでみた。館の中から姉がびっくりして出てきた。
「ねえちゃん、無事か、おら、ねえちゃんを救けに来た」
「ここへ来てはだめだ。鬼に喰(く)われっから早く家さ帰れ」
「いやだ。おら、ねえちゃん救けるまでは家に帰らん」
姉は仕方なく、弟を館に入れ、つづらの中に隠まったと。
そしたら、じきに鬼が帰って来て、
「ム、ムムム、人臭(くさ)い。人臭い。誰か、人が来たな」
と、あやしんだ。
「そんなことはない。誰も来やせん」
「いんや、たしかに人の匂(にお)いがする」
鬼はクンクン匂いを嗅(か)ぎまわって、とうとうつづらを見つけてしまった。つづらのふたを開けて、弟をつまみ出したと。姉は、
「その子は、わたしの弟だから、どうか喰わんでくれ」
と必死に頼んだ。すると鬼はニカニカ笑って、
「わしと勝負をして、勝ったらゆるしてやってもええがの」
というた。
弟と鬼は、大きな桶(おけ)に水を汲(く)む競争をすることになった。
弟の桶は、だんだんに一杯になっていったが、鬼の桶は、鬼が必死に水をくみ入れても一杯にならん。
挿絵:福本隆男
鬼が、ハアハアいいながら首を傾(かし)げて桶を見とる。
実は、姉がこっそり鬼の桶に穴を穿(うが)っておいたんだと。
とうとう弟が勝ったと。
さあ、鬼はあわてた。
「もう一番やろう」
今度は、豆の早食い競争だと。
姉は、弟には柔らかな豆を渡し、鬼には豆に小石を混ぜて渡した。
鬼は、ガリッ、ガリッと食っていたが、一度に沢山(たくさん)は食えんから、この勝負も、やっぱり弟が勝ったんだと。
鬼は、人間の、まして小僧(こぞう)ったれに二番続けて負けたのがくやしくてならない。
「勝負は三番というから、もう一番しよう」
というて、いやもおうもない。今度はお湯の飲みくらべだと。
姉は弟にぬるいお湯を渡し、鬼にはグラグラ煮(に)え立った熱いお湯を渡した。
そうとは知らない鬼は、グイッと飲みほしたからたまらん。口も喉(のど)も腹の中も大火傷(おおやけど)をして、とうとう死んでしまったと。
姉と弟は、鬼の館から財宝をいっぱい持って山を下(お)り、めでたく村に帰ったと。
どっとはらい。
姉がこっそり穴をあけたり小石を入れたりした時によく鬼に見つからなかったなとなとなと思いましたそしてどうして鬼は姉をさらって行った行ったのかなと思いましたまた読みたいです!( 10歳未満 / 女性 )
むかし、紀州(きしゅう)、今の和歌山県の有田(ありた)と日高(ひだか)の郡境(ぐんざかい)にある鹿ケ瀬峠(ししがせとうげ)というところへ、惣七(そうしち)という猟師(りょうし)が猪(いのしし)を撃(う)ちに行ったそうな。 いつものように犬を使って猪を追い出そうとしたが、その日にかぎって一頭も出てこん。
「姉と弟の鬼退治」のみんなの声
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